今までありそうでなかった軽自動車だと思う。居住空間の広さは重視せず(といっても大人4人がじゅうぶん乗れるくらいの空間は確保されている)、そのぶんスタイリッシュにしたというのはなかなか面白いアイデアである。
新型ダイハツ『ムーヴ』(5日発表)はダイハツの軽ラインナップのど真ん中に位置するモデル。「ムーヴ」は、スペース効率を追求した『タント』と、「ムーヴカスタム」は走行性能を重視した『ソニカ』と、うまくユーザーニーズを補完しあっている。
走りの軽として『ソニカ』の完成度は高い。まずデザインから。フロントマスクはクリーンな仕上がりなんだけど、『エッセ』とか『ラパン』とか『i』ほどの個性はない。しかし、リアに回ってみると、「何これ?」と思わずつぶやいてしまう。
軽だと思ってナメんなよ。『ソニカ』は長距離クルージングだって涼しい顔でこなす大傑作車だ。流行のバン系より全高を下げ、そのぶん重心を低くしたのがポイントだが、それでも外観から想像するより室内の広々感は凄い。
アルファロメオがつくった軽、みたいなカッコよさ。価格も1.3リッター級だが、並みの1.3リッター級より驚きにあふれたパフォーマンス。見ても乗っても、軽とは思えない新世代軽自動車。
ハイトワゴン全盛の軽自動車市場に一石を投じた一台。全高は低いものの、室内幅は軽自動車最大とあって、狭さを感じることはない。そして何よりも注目すべきは、優れた動力性能だ。