自動車メーカーの2022年春闘は3月9日、トヨタ自動車の労使が満額で妥結するという異例の展開になった。同社は1回目の労使交渉が開かれた2月23日に、豊田章男社長が満額回答の意向を示していた。
“いきなり”と言えば、ステーキのチェーン店はよく知られているが、春闘での労使交渉で,経営トップがいきなり“満額回答”を示すケースはあまり聞いたことがない。
これから労使交渉が本格化するのが2022年の春闘である。自動車大手の労働組合などが賃上げや待遇の改善を求める今年の春闘の要求書を一斉に経営側に提出しており、きょうの各紙も大きく取り上げている。
自動車メーカーの2022年春闘は2月16日に労組から要求が提出され、コロナ下で3年目となる交渉が始まった。業績の先行きが不透明だった昨年に比べ、2022年3月期での回復が見えてきたことから、ベースアップ(ベア)要求が復活する動きとなっている。
ガソリン価格の急騰などで家計を直撃している中、2022年春闘が事実上スタートした。
「新しい資本主義」の実現に向けて、岸田首相も春闘での「3%賃上げ」を要請しているなか、自動車業界の労働組合が加盟する自動車総連が、2022年春闘の方針を発表した。
2021年の春闘が集中回答日を迎え、自動車や電機メーカーなどの大手企業が労働組合の要求に対して一斉回答を行ったが、新型コロナウイルス感染の収束が見通せないなかで、妥結額が前年を下回る企業が相次いだという。
自動車メーカーの2021年春季団体交渉は3月17日、一斉に経営側から回答が提示された。最大手のトヨタ自動車は、組合員平均月9200円の賃上げ総額、6.0か月の年間一時金要求ともに満額回答が提示された。
ホンダは3月10日の春闘労使交渉で、会社側が年間一時金の満額回答を示し、事実上の決着となった。自動車総連は3月17日を集中回答日にしているが、それよりも1週間早い異例の回答となった。
自動車メーカーの2021年春闘は2月17日に一斉に労組から要求が提出された。コロナ禍で業績の先行きが不透明ななか、要求ではベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分を非公表としたり、要求を見送るなど春闘自体も混沌とした幕開けとなった。
新型コロナウイルスの世界的流行に伴う企業業績の悪化が、自動車業界の今春闘のベースアップ(ベア)要求などにも大きな影を落としている。
日本自動車工業会の豊田章男会長は3月19日の記者会見で2020年の春闘交渉について「以前は賃金をどうするかに焦点が当たっていたが、変革の時代をいかに生き抜いていくか、競争力を高めるためにお互い何をすべきか真剣に話し合った」と、評価した。
自動車メーカーの2020年春闘は3月11日に一斉に会社側から回答が提示された。トヨタ自動車がベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分をゼロとするなど、労組には厳しい交渉結果となった。
自動車メーカーの2020年春季団体交渉は3月11日、一斉に経営側から回答が提示された。最大手のトヨタ自動車は賃金改善(ベースアップ=ベア)についてはゼロとなる総額月8600円の回答となった。同社のベアゼロは2013年以来7年ぶり。
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