スーパー耐久を初戦欠場の水素カローラ、次戦24時間に向けて挑戦を継続

水素カローラの挑戦についての会見
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スーパー耐久レースが三重県鈴鹿サーキットで開幕した。注目を浴びる水素『カローラ』は残念ながら初戦を欠場するが、次戦富士24時間レースに向けて挑戦を継続すると発表した。

18日、三重県鈴鹿サーキットで開幕を迎えたENEOSスーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook第1戦『SUZUKA S耐』。GAZOO Racingが設定した会見場には、4月からトヨタ自動車新社長となる佐藤恒治氏、川崎重工業の橋本康彦社長、岩谷産業の間島寛社長執行役員が登壇した。

その中でトヨタ佐藤新社長は、今回不参加になった水素カローラについて、「今シーズンから参戦する予定だったが残念ながらテスト中に不具合を起こし、水素がジョイントから漏れてしまい、火災トラブルとなり車両を損傷してしまった。その際に安全装置もしっかり働いてドライバーにも負傷せず済んだ。修復をしているが、今回のレースには間に合わず残念ながら不参加となった。その不具合をしっかり直し、二重三重の安全対策を施して富士24時間レースに挑めるようにしていきたい」と語った。

水素に関しては3年目の挑戦となり、昨年までの気体水素から、今シーズンは液体水素に切り替えて挑戦を行う。

その液体水素を「つくる」「はこぶ」「使う」という流れのなかで、「つくる」を担う川崎重工はオーストラリア産の褐炭から水素を作る。

「はこぶ」の部分では川崎重工、岩谷産業、電源開発などが構成している「HySTRA」のプロジェクトとして液化水素運搬船でオーストラリアから神戸に輸送している。さらに川崎重工や岩谷産業が協力してサーキットまで適切に運んでいる。

「運ぶ」を主に担う岩谷産業は80年以上前から水素に関わっており、「作る」「運ぶ」「使う」も自社で手がけてきた。国内でサプライチェーンを作り上げている。その技術とノウハウを使ってサーキットまで必要に応じた量を適切に運搬している。

3年前に水素でレースを行うとしてスタートした時は8社の協力会社から始まった。3年経った今年はその仲間作りも大きく広がり39社にまで広がった。

これはモータースポーツを起点にして「作る」「運ぶ」「使う」の大きな柱と共に、自動車のパーツメーカーやインフラのメーカー、地方自治体など多くの賛同を集めて広がりを見せている。

「世界が注目する最先端の試み、液体水素でレースをしようという世界初の試みがこのスーパー耐久の場で行われている」と佐藤社長も説明する通り、今までにない試みがサーキットを舞台にして3年目の挑戦に挑む。

初戦を不参加となったことで、液体水素カローラは5月に行われる富士24時間が初戦となる。初めて水素でレースに参戦しようとした時も富士24時間レースが初めての戦いだったこともあり、佐藤社長も「今年の液体水素の戦いもワクワクしている部分も多いし、初めての戦いも24時間だったので、24時間レースには縁があるんだな」と語った。

この点は川崎重工も岩谷産業も「不安が無いと言いきれないが、大丈夫なように万全な用意をして挑戦したい」と言う。

鈴鹿での戦いを見てみたかったファンも多いかもしれないが、富士24時間での戦いに注目したい。

《雪岡直樹》

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