VW『ID. Buzz』のリサイクル素材、他のEVに拡大展開へ…2023年内生産分から

従来のシートカバーと比較してCO2排出量を約3分の1削減

クロムめっきをバイオベースの結合剤を含むクロム調の液体塗料に置き換え

リサイクル素材は新しい素材と同じ品質基準を備える

フォルクスワーゲン ID.Buzz
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フォルクスワーゲン(Volkswagen)は2月23日、EVの『ID.3』、『ID.4』、『ID.5』の欧州仕様車に、2023年内生産分から新たなリサイクル素材を導入すると発表した。ペットボトル由来のリサイクル素材などを活用する。

◆従来のシートカバーと比較してCO2排出量を約3分の1削減

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フォルクスワーゲンは、EVミニバンの『ID. Buzz』のインテリアに、数多くの新しい素材を使用している。これらの新素材を、「ID.」ファミリーの他のモデルにも拡大し、段階的に導入する計画だ。

例えば、ID. Buzzのインテリアには、海洋プラスチックや容量500mlボトル63本分の古いペットボトルをリサイクルした代替素材が、さまざまな場所に使用されている。シートカバーの表地は、回収された海洋ゴミ10%とリサイクルされたPESヤーン90%から構成される「Seaqual」ヤーン製。これにより、従来のシートカバーと比較して、生産時におけるCO2排出量を、約3分の1に相当する32%削減することができるという。「ArtVelours Eco」を使用したシートカバーのリサイクル率は71%だ。

さらに、ID. Buzzのヘッドライナーとフロアカバーの表面は、完全にリサイクルされたポリエステルで作られている。リサイクルされたプラスチックは、カーペットの断熱層にも使用されている。同様に、アンダーボディコーティングやホイールハウジングライナーなどのコンポーネントにも、リサイクルされたプラスチックが採用されている。

◆クロムめっきをバイオベースの結合剤を含むクロム調の液体塗料に置き換え

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さらに、クロムめっき部品の生産は環境に悪影響を及ぼす。そのため、フォルクスワーゲンは、ID. Buzzのドアのトリム、インストルメントパネルやステアリングホイールクリップを装飾するパーツに、クロムめっきを使用していない。

従来のクロムめっき部分は、バイオベースの結合剤を含むクロム調の液体塗料に置き換えられた。ID. Buzzに採用されたこれらのリサイクル素材の一部は、今後ID.3、ID.4、ID.5にも導入される予定だ。

フォルクスワーゲンは、2030年までに車両1台あたりのCO2排出量を40%削減することを目指しており、遅くとも2050年までに、カーボンニュートラルなバランスを実現することを計画している。フォルクスワーゲンは、これらの目標を達成するために、基礎研究から開発、生産、使用済み車両のリサイクルに至るまで、車両のライフサイクル全体を分析して最適化する。また、フォルクスワーゲンは、使用するすべての原材料のクローズドマテリアルサイクルを確立することを目指している。

◆リサイクル素材は新しい素材と同じ品質基準を備える

リサイクレート(再生処理材料)とは、新しい製品に使用するために処理された使用済み素材を意味している。プラスチックの場合は、ペットボトルや古い漁網などがこれに該当する。これらのプラスチック廃棄物は、再利用できるように粒状に加工される。

コンポーネントは、それぞれの要件に応じて、リサイクルされた素材をごく一部に使用するか、または完全にリサイクルされた素材のみから製造することができる。インテリアにおいて、再利用された素材は、常に従来の素材と同じ特性を備えている必要がある。これは、見た目および手触りの面だけでなく、耐久性と寿命の面についても同様、としている。

《森脇稔》

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