Yahoo! MAP、カーナビ機能のサブディスプレイ化を「Apple CarPlay」対応で実現

マルチディスプレイ化を果たして使いやすさを高めた「Yahoo! MAP」
  • マルチディスプレイ化を果たして使いやすさを高めた「Yahoo! MAP」
  • ディスプレイオーディオ側からの設定にも対応している
  • Yahoo! MAPにある「ラーメンマップ」で検索した目的地はCarPley上に反映される
  • iPhoneでの検索
  • ディスプレイオーディオ側では直近の案内ポイントだけが表示されているが、iPhone側ではその先の案内ポイント情報が表示されている
  • 一般道での案内
  • 一般道での案内
  • 一般道での案内

Yahoo! JAPAN(ヤフー)は3月3日、提供中の無料地図アプリ『Yahoo! MAP』のiOS版で「Apple Carplay」に同日より対応したと発表した。組み合わせるiPhoneをサブディスプレイとして使えることを実現しており、Yahoo!カーナビよりも目的地設定の自由度を高めたのがポイントとなる。

◆“場所を探す”“そこへ行く”の2つの領域で高い検索能力

新機能の説明会に登壇したYahoo! JAPAN 検索グループローカル統括本部企画デザイン本部の今坂健一氏は、「Yahoo! MAPアプリは大きく“場所を探す”“そこへ行く”の2つの領域に力を入れている」とアプリのポイントを紹介した。

それによると、“場所を探す”は、決まった場所に行く、というのではなく、第一に、行く場所を探すことを考えて設計されているという。中でもYahoo! MAPの「テーママップ」は、たとえば「ラーメンマップ」のように利用シーンごとにテーマを設けて行く場所を提案することができる。しかも、ここで検索した目的地はそのままCarPlay上に反映させることができるのだ。

“そこへ行く”は行き先が決まったら、いかにスムーズにナビゲーションをするかだ。もともとYahoo! MAPでは電車やバスなどの公共交通、徒歩、自転車、そして自動車を含めた様々な移動手段別の案内を提供してきたが、それぞれのナビゲーションにおいて、利用者にストレスを感じさせることなく、より良いルートを提案できるよう日々改善を重ねてきたというわけだ。

ではYahoo! カーナビとの違いはどこにあるのか。Yahoo! カーナビはあらかじめ把握している目的地を設定するのに対し、Yahoo! MAPでは行くべきところが定まっていなくてもアプリ上で探し出して目的地として設定できる。ここに両者の違いがある、と今坂氏は語る。

そして今回、そのYahoo! MAPの自動車ナビがYahoo! カーナビと同様CarPlayに対応することになった。その背景にあるのが「ディスプレイオーディオの急速な普及がある」という。

具体的には2019年9月にトヨタが『カローラ』で国産車で初めてディスプレイオーディオを標準搭載し、それ以降、徐々にDA化が進み始めている。一方でCarPlayの発表から間もなく10年が経ち、ディスプレイオーディオの利用者が目に見えて増えている状況にある。こうした背景の下、「Yahoo! MAPもCarPlayへの対応を果たすべきと考えた」と今坂氏は話す。

◆iPhoneとDAを組み合わせたマルチディスプレイを実現

そんな中でYahoo! MAPがCarPlayへの対応を果たす際に、代表的な機能として搭載したのが「サブディスプレイ対応」である。これはディスプレイオーディオとiPhoneを接続した際にYahoo! MAPを起動すると、ディスプレイオーディオ側には地図を表示し、iPhone側では案内ポイントをリスト表示するというものだ。

多くのカーナビでは案内地点として次に曲がるポイントしか表示されない。それをiPhoneと組み合わせることで、ディスプレイオーディオ側には現在地付近の地図を表示し、iPhone側にはゴール地点に向かう先の先までの案内ポイントを同時表示できるようになるのだ。たとえば一般道ではゴールに至るまでの右左折ポイントを、高速道路走行中は経路上のICをはじめSA/PAなどの高速道路施設が表示される。

今坂氏によれば、今回の対応は「ディスプレイオーディオとiPhoneの接続することで、ディスプレイオーディオは横長画面、iPhoneは縦長画面、さらにナビゲーション時に表示される情報、これらを整理した上で最適な表示方法は何かを考えたところで実現したものになっている」という。そのため、この機能を実現するため、スマホホルダを活用してDAと並べて使うことを前提としている。

主な機能としては、高速道路施設のアイコンを他の案内と区別して表示し、一目でわかるようデザインされている。ガソリンスタンドやレストランなどのアイコンが表示されているため、どこで休憩すればいいかが判断できるのだ。

また、大都市の一部ではリアルなCGによる交差点拡大図が表示され、高速道路の分岐や出入り口ではわかりやすいイラストが表示される。これはYahoo!カーナビでも好評を得ている機能でもある。これにより、これまでのディスプレイオーディオを超えるリッチなカーナビゲーションという新しい体験が可能になるわけだ。

一方で新機能としてiPhone単体でも高速道路表示に対応した。iPhoneでナビゲーションを使っている時に、地図表示と施設リスト表示を切り替えられるボタンを用意し、iPhone単体でも地図表示をさせて使えるものとしたのだ。

◆都内を走行してマルチディスプレイの魅力を体感

説明終了後に、このマルチディスプレイ化した状態で都内を走行することができた。プロトタイプではあったが、複雑な都内の道路上でもわかりやすい案内でスムーズに目的地まで誘導した。交差点拡大図や高速道の分岐案内がディスプレイオーディオだけでなく、iPhone側のリスト上にも重なって表示されるのは余計だと思ったが、車線ガイドや交差点名もガイドされてとてもわかりやすい。

もちろん、測位をGPSだけに頼っているため、受信状況によっては誤差を発生することも想定されるし、トンネル内では測位を継続できなくなってしまうが、それも受信が再開されればすぐに修正される。これを念頭に置いて使えば特に気にはならないだろう。

これまでYahoo! カーナビでは、目的地を入力して対象がヒットしなければ目的地が設定できずお手上げとなっていたが、Yahoo! MAPを使えば「テーママップ」を使うなどしてその対象がグンと幅が広がる。初めての場所に出掛ける時などはYahoo! MAPの方が使いやすく感じる可能性は高い。いずれも無料で使えるわけだし、Yahoo! カーナビと上手に使い分けてみることをオススメしたい。

《会田肇》

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