VWのEVミニバン『ID.Buzz』、欧州受注が2万6600台に 2022年

VWグループの新世代EV向け車台「MEB」

バッテリーはサンドイッチ構造のフロア下に配置

1回の充電での航続は最大で425km

フォルクスワーゲン ID.Buzz
  • フォルクスワーゲン ID.Buzz
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フォルクスワーゲンは1月12日、新型EVミニバン『ID.Buzz』(Volkswagen ID.Buzz)の欧州での累計受注台数が、予約開始の2022年5月から2022年末までに、2万6600台に到達した、と発表した。

2022年の欧州でのID.Buzzの納車台数は、およそ6000台。2022年末までに、1万0800台のID.Buzzがドイツ・ハノーバー工場から出荷されており、2023年に入って納車が進むと見られる。フォルクスワーゲンによると、2万6600台の累計受注台数は、予想を上回るという。

◆VWグループの新世代EV向け車台「MEB」

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ID.Buzzは、フォルクスワーゲングループの新世代EV向けのモジュラー車台「MEB」をベースにする。そのアーキテクチャは、ソフトウェアとテクノロジーのさらなる開発を可能にするという。ユーザーが購入後、無線アップデートによって車載のソフトウェアとテクノロジーを進化させていく。

欧州仕様車は導入当初、全長4712mm、全幅1985mm、全高1937mm、ホイールベース2988mmの標準ボディのみになる。室内は2列シートで、乗車定員は5名だ。生産は、ドイツ・ハノーバー工場で行われている。

標準ボディの2988mmのホイールベースは、フォルクスワーゲンの主力商用車の『T6』と比較として、2mm違うだけだ。一方、T6の全長4904mmに対して、 ID.Buzzの全長は192mm短い。これにより、T6と同様の室内長を維持しながら、より小さな駐車スペースに停めることができるという。

◆バッテリーはサンドイッチ構造のフロア下に配置

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ID.Buzzのエクステリアには、初代の「T1」(『Bulli』とも)のデザインモチーフを取り入れた。短いオーバーハングやスペース効率の高さ、V字型のフロントマスクなどがT1から受け継がれた。オプションで、ツートンカラーが選択できる。

バッテリーは、サンドイッチ構造のフロア下に配置されており、重心を低くし、前後重量配分にも配慮した。このレイアウトのおかげで、ID.Buzz の最小回転半径は、5.55mに抑えられる。また、ID.Buzzの全幅は1985mmで、T6よりも81mmワイドだ。全高は1937mmで、T6の全高1970mmと比較して、およそ30mm低くした。アルミホイールは、18~21インチサイズを用意している。

標準ボディの荷室容量は、最大1121リットルを確保した。2列目シートを折りたたむと、荷室容量は最大2205リットルに拡大する。インテリアは、フォルクスワーゲンで初めて、動物由来のレザーの使用をとりやめた。その一方で、リサイクル素材を積極的に用いる。

◆1回の充電での航続は最大で425km

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商用車の『ID.Buzzカーゴ』の場合、後席がなく、乗車定員は前席がセパレートの場合は2名、前席がベンチシートの場合は3名となる。前席と荷室の空間を分ける固定式のパーティションが装備される。このパーティションには、前席から荷室が確認できる窓ガラスが付く。ID.Buzzカーゴは3.9立法mの荷室容量を備えている。荷室フロアには、欧州で一般的な貨物規格の「ユーロパレット」を2個、横方向に積載し固定することができる。

モーターはリアアクスルに搭載され、最大出力201hp、最大トルク31.6kgmを引き出す。最高速はリミッターによって、145km/hに制限される。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は82kWh(正味容量は77kWh)とした。1回の充電での航続は、WLTPサイクルで最大423km(ID.Buzzカーゴは425km)に到達する。

リチウムイオンバッテリーは、出力11kWの交流(AC)を使用して、自宅のウォールボックスや充電ステーションで充電できる。DC(直流)急速充電ステーションでは、「CCS」プラグコネクタを介して、最大出力170kWで充電できる。この場合、バッテリーの最大80%の容量を、約30分で充電することが可能、としている。

《森脇稔》

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