斉藤鉄夫国土交通大臣は7月26日に開かれた定例会見で、「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」で示されたローカル線問題の提言案について記者の質問に答えた。
この提言案は、一部の例外を除いて、平常時の輸送密度が1000人/日未満で、自治体と比較的連携しやすい第三セクター鉄道を除いた線区を対象に仮称「特定線区再構築協議会」(特定線区協議会)を設け、協議開始から実証期間も含めて3年以内に一定の結論付けをすることが提言されている。
これについて斉藤大臣は、「国が一方的に協議の場を立ち上げたり、バスへの転換を促すものではありません」と述べ、ローカル線の評価については、「廃止ありき」「存続ありき」ではなく、輸送需要などの画一的な視点に囚われず地域ごとに丁寧に見ていく必要があるとした。
また、「沿線自治体からは廃止に繋がるのではないかという警戒感が一定にあるようです」という記者の発言に対しては理解を示しつつも、「今の実情で、そのまま何もしないと、持続可能な公共交通が破綻するのは目に見えています」と釘を刺した上で、「どうすれば地域住民の方にとって、最も幸せな公共交通という体系になるのか、それを国と自治体と事業者が一体となって話し合うということが、非常に重要ではないか」と述べ、その精神で対応していく考えを示した。
富良野市内の布部駅で発車を待つ根室本線の上り普通列車。2012年7月26日。