[DSPのススメ]“車種専用チューニング”が嬉しいビッグX

アルパイン・ビッグX(11型)
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現代カーオーディオでは、「DSP」が用いられることが多い。これを使うと、車室内に存在する音響的な不利要因への対処が可能となるからだ。当特集では、そうである理由からこれの活用法までを多角的に解説している。

◆『ビッグX』シリーズの「DSP」にはスペシャル機能が搭載済み!?

さて、これまで解説してきたとおり、「DSP」にはタイプ違いがある。大きくは「メインユニットに内蔵されているタイプ」と「外付けタイプ」とに分類できるのだが、ここまではまず「メインユニットに内蔵されているタイプのDSP」のいろいろを紹介してきた。そして今回は、アルパインの『ビッグX』シリーズに搭載されている「DSP」の実力を明らかにする。

ところで、「メインユニットに内蔵されているタイプのDSP」にもタイプ違いがある。まずは「簡易型」と「高機能型」の2つに分けられて、この2つの違いは以下の3機能がすべて搭載されているか否かだ。3つの機能とは、「クロスオーバー」「イコライザー」「タイムアライメント」だ。そして「高機能型」もまた2タイプに分類できる。1つが「スタンダードタイプ」でもう1つが「ハイエンドタイプ」だ。そしてこの2つの違いは、「クロスオーバー」が「フロントスピーカーとサブウーファー間にしか適用できないタイプ」か、「ツイーターとミッドウーファー間にも適応できるタイプ」かだ。

今回クローズアップするアルパインの『ビッグX』シリーズに搭載されている「DSP」は、「スタンダードタイプ」だ。つまり「クロスオーバー」は、ツイーターとミッドウーファー間では運用できない。しかし、『ビッグX』シリーズの「DSP」には他にはないストロングポイントが備わっている。

アルパイン・ビッグX(11型)アルパイン・ビッグX(11型)

◆「イコライザー」の性能は、トップレベル!

ストロングポイントは、「イコライザー」にある。『ビッグX』シリーズの「イコライザー」には、特長が2つ備わっている。1つは「各chを個別にコントロールできること」で、もう1つは「パラメトリックイコライザーであること」だ。

ちなみに他の「ハイエンドタイプのDSP」では、「イコライザー」は“左右独立”、または“左右&サブウーファー独立”だ。しかし『ビッグX』では、フロントの左右ch、そしてリアの左右chに対してもそれぞれ個別に「イコライザー」をかけられる。

そして他のメインユニットに搭載されている「DSP」の「イコライザー」のほとんどは「グラフィックイコライザー」だが、それと比べて「パラメトリックイコライザー」は、より詳細な補正をかけられる。

というのも「グラフィックイコライザー」では、各バンドへの周波数の割り振りは変更できず、操作の影響が及ぶ範囲も変えられない。対して「パラメトリックイコライザー」では、各バンドにて調整できる周波数をある程度任意に選べてさらに調整が及ぶ範囲も変えられる。つまり、問題のある帯域に対してピンポイントにアプローチでき、かつ状況に即して効き目をコントロールできるのだ。

なお、このように高機能な「イコライザー」は操作が難しい。なので当機のサウンドチューニング機能を使いこなしたいと思ったときには、専門店の力を借りた方が良い。

アルパイン・ビッグX(9型)アルパイン・ビッグX(9型)

◆高度なチューニング機能が、車種ごとでプリセット済み!

ただし『ビッグX』シリーズは車種専用展開が成されているので、愛車に対応したモデルを手にすればその車室内環境に合わせたサウンドチューニングデータがプリセット済みだ(またはダウンロードにてデータを取得できる)。なので高度なチューニング機能を自ら操作せずとも、その恩恵を容易に手にできるようにもなっている。

とはいえスピーカーを交換する場合には特に、そのスピーカーに合ったサウンドチューニングを施したい。なのでシステムアップを図ろうとする場合にはやはり、専門店にセットアップを依頼した方が良いだろう。

ところで『ビッグX』シリーズは画面サイズ違いが多々あり、さらには車種専用の取り付けキットを同梱するかしないか等々機種展開が幅広い。しかし、搭載されている機能は基本的にすべて一律だ。大画面モデルを選んでも汎用の7型モデルを選んでも、すべてのユーザーが『ビッグX』ならではの高機能な「DSP」の使い心地を味わえる。この点も大きな特長と言って良い。

今回は以上だ。次回以降は「外付けタイプのDSP」について解説していく。お楽しみに。


《太田祥三》

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