プジョー9X8、待望のWEC実戦デビュー…初陣は33位&リタイア

#94 プジョー9X8
  • #94 プジョー9X8
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  • #93 プジョー9X8
  • #93 プジョー9X8
  • 9X8でのWEC初実戦に臨んだプジョー陣営(PEUGEOT TotalEnergies)。
  • 優勝する#36 アルピーヌと、2位になる#8 トヨタ。
  • WEC第4戦モンツァの表彰式。トヨタは2-3フィニッシュだった。
  • モンツァの予選でポールポジションを獲得した#708 グリッケンハウス(今回は1台体制だが、前戦ルマンでは2台参戦で決勝3-4位だった。次戦富士については不参戦の模様)。

現地10日に決勝レースが実施された2022年世界耐久選手権(WEC)第4戦「モンツァ6時間」で、プジョーのルマン・ハイパーカー「9X8」が実戦デビューを果たした。2台参戦の初戦成績は33位とリタイアになっている。

イタリアのモンツァ・サーキットで開催されたWECの今季第4戦、トップカテゴリーの「ハイパーカー・クラス」には6台が参戦した。ルマン・ハイパーカー(LMH)が5台で、内訳は「トヨタGR010 HYBRID」が2台に、「グリッケンハウス 007 LMH」が1台、そして新顔の「プジョー9X8」が2台である。トヨタとプジョーはハイブリッドで、グリッケンハウスはノンハイブリッド。なお、このクラスもう1台の参戦車は、旧LMP1規定ノンハイブリッド車流用の「アルピーヌA480-ギブソン」だ。

“リヤウイングなし”という異色のコンセプトで話題を呼んだプジョー9X8は、今回が待望のデビュー戦。先月のルマン24時間レース(今季WEC第3戦)で同レース5連覇を飾ったトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)にとっては、WECのトップカテゴリーがハイパーカー・クラスに移行した昨季以来、最初のビッグメーカー(ブランド)ワークス陣営のライバルLMH規定車登場、となった(来年はフェラーリのLMH規定車が参戦予定。またポルシェ等、LMDh規定車でのハイパーカー・クラス参入が可能になるところもある)。

プジョー9X8の初戦モンツァは、序盤からスローダウンしてコース上にストップする場面が見られるなど、(ある意味で想定通りともいうべき)トラブルの洗礼を受けるレース展開になった。決勝結果は、#94 プジョー9X8(L.デュバル / G.メネゼス / J.ロシター)が総合33位(クラス4位)で、走破周回数は優勝車より25周少ない169周。もう1台の#93 プジョー9X8(P.ディ・レスタ / M.イェンセン / J-E.ベルニュ)は46周の走行でリタイアとなっている。

#94のドライバー、デュバルとロシターは日本のレースシーンでの活躍が長かったドライバーでもある。デュバルは「フィニッシュに到達できたことは良かったと思う。#93と同じく、我々(#94)も問題を抱えていたが、その多くはトラフィックに関連するものだった」と振り返った。やはりテストとは違い、いろんなクラスのマシンがたくさん走る実戦環境下でこその問題(デブリの影響等)をいくつか発見できた、ということだろう。

デュバルは「フルコースイエロー(によるスロー走行)のあと、タイヤに熱を入れるのに苦労した」とも話しており、これも実戦ならではの発見課題といえそうだ。「(WECトップカテゴリーでの)長い経験があるライバル(トヨタのことだろう)と、1レースで同じレベルに達することはできない」。ここから実戦での熟成が進むことが期待されるプジョー9X8。ロシターも「初実戦で多くのことを学べたよ」との実感を語っている。

WEC第4戦モンツァ、ハイパーカー・クラスおよびレース総合の優勝は#36 アルピーヌで開幕戦以来の今季2勝目。2位には前戦ルマンで優勝した平川亮らの#8 トヨタが2.762秒差で続いた。3位は小林可夢偉らの#7 トヨタ(第2戦優勝車)。予選でポールポジションを獲得した#708 グリッケンハウスはリタイア(96周)だった。

WECの次戦、第5戦は富士スピードウェイにて開催予定となっている(決勝予定日は9月11日)。

*上記の決勝結果は、レース当日発行の「Final Classification」に基づく。

《遠藤俊幸》

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