NSX 最終章『タイプS』、公式ペースカーとして「フロート」先導へ…米新年パレード

エアロダイナミクス性能を追求した専用デザイン

アキュラ史上最強の600hp

加速性能を向上させる9速デュアルクラッチ

アキュラ NSX タイプS
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ホンダの海外向け高級車ブランドのアキュラは、2022年1月1日に米国ロサンゼルスで行われる恒例の新年行事、「ローズパレード」の公式ペースカーに、『NSXタイプS』(Acura NSX Type S)が起用されると発表した。

ロサンゼルス郊外のパサディナで開催されるローズパレードは、米国の代表的な新年行事のひとつだ。2022年で133回目という長い歴史を持ち、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大の前には、毎年およそ100万人もの観光客が訪れていた。

パレードには、さまざまなフロートが登場する。フロートとは大型の台車のことで、日本の祭りの山車のようなものだ。ホンダは、「Dream. Believe. Achieve」をテーマにフロートを製作し、2022年もローズパレードに参加する。このローズパレードの公式ペースカーに、NSXタイプSが起用される。同車が、2022年のローズパレードのフロートを先導する役目を果たす予定だ。

◆エアロダイナミクス性能を追求した専用デザイン

NSXタイプSは、専用デザインのエクステリアを採用する。より大きく、より角張ったエアインテークを備えた新しいフロントバンパーと、リアの大型化されたディフューザーが連携して、高速安定性を高めた。新形状のカーボンファイバー製フロントスポイラーは、車両の下側に空気の流れを振り向けることで、フロントの空力リフトを最小限に抑えるという。

アキュラ NSX タイプSアキュラ NSX タイプS

エンジンの冷却性能を向上させるために、フロントグリルの開口部を拡大した。片側に2つ、合計4つの開口部が追加されており、フロントバンパーの左右の後ろにあるサブラジエーターに空気を送る。外側のエアインテークも空気を車両の側面に流し、新設計されたフロントコーナーと連携してエアカーテンを形成する。これにより、インタークーラーの側面に取り付けられた吸気口への空気の流れが改善されているという。

リアには、レーシングカーの『NSX GT3 Evo』をモチーフにした大型のカーボンファイバー製ディフューザーを装着する。このディフューザーは、中央部分の空気の流れを追求した形状が特徴で、より多くのダウンフォースを生み出すという。

◆アキュラ史上最強の600hp

直噴3.5リットル(3493cc)V型6気筒ガソリンツインターボエンジンに専用チューニングを施した。新開発の燃料噴射装置は、25%多いガソリン流量を可能に。新設計のインタークーラーは、冷却性能を15%引き上げた。レーシングカーのNSX GT3 Evoと共有する新しいターボチャージャーは、ピークブースト圧を15.2psiから16.1psiに5.6%高めた。その結果、エンジンの最大出力は500hpから520hpに20hp向上し、最大トルクも56.1kgmから61.3kgmに5.2kgm増加した。

ハイブリッドシステム全体で、パワーは従来比27hpプラスの600hp、トルクは2.2kgmプラスの68kgmに到達する。600hpのパワーは、これまでのアキュラの市販車で最強という。前輪に動力を供給し、コーナーでアクティブトルクベクタリングを可能にする「ツインモーターユニット(TMU)」のギア比は、8.050対1から10.382対1に下げられた。この20%低いギア比により、加速性能を引き上げている。

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さらに、電気モーターに電力を供給する「インテリジェントパワーユニット(IPU)」が効率性を高めた。これにより、使用可能なバッテリー容量が20%増加し、バッテリー出力が10%増加するという。より高い容量と出力に対応して、「スポーツハイブリッドSH-AWD」システムの電気モーターを再チューニング。統合ダイナミクスシステムの4種類のモードのすべてで、パフォーマンスを向上させ、EVモードの航続も拡大しているという。

◆加速性能を向上させる9速デュアルクラッチ

9速デュアルクラッチトランスミッションにも専用チューニングを施した。スポーツモード以上で作動する新しいラピッドダウンシフトにより、ドライバーはダウンシフトパドルを押し続けることで、一度に複数のギアをスキップできる。パドルを0.6秒間押し続けると、トランスミッションは車両の速度に合わせて可能な限り低いギアを自動的に選択するとともに、シフト時間を短縮する。

スポーツモードとスポーツ+モードでのパドルシフト操作時には、最大50%速くクラッチを接続する新しいプログラミングによって、加速性能を向上させた。スポーツ+モードでパドルシフトを使用しない場合、ブレーキがかかるとすぐに、トランスミッションがシフトダウンする。これは、コーナーの手前の直線上でシフトダウンすることで車両の安定性を保ち、エンジン回転数を最適化することでコーナーからの立ち上がりの加速を鋭くするのが狙いという。

シャシーやサスペンションを最適化し、パフォーマンスとドライバーとのエモーショナルなつながりを追求した。統合ダイナミクスシステムの4種類のモードも、パフォーマンスを向上させるために再調整され、「インテークサウンドコントロール(ISC)」と「アクティブサウンドコントロール(ASC)」は、よりスポーティなエンジンサウンドを生み出すように再プログラムされた、としている。

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《森脇稔》

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