免許返納後の認知症発生を抑止か…近距離モビリティ WHILL 操作における脳の動き

次世代型電動車椅子 WHILL
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  • 運転免許の自主返納件数の推移
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WHILL社は、近距離モビリティ(次世代型電動車椅子)『WHILL』の操作時と、車の運転時におけるシニアの脳の動きを比較検証する調査に今秋より着手すると発表した。

車の運転は、周囲の状況に気を配り、適度な緊張感を保つ必要があるため、注意力や判断力を鍛える効果があると言われている。そのため、運転免許を返納した人が急に認知症を発症したり、その症状が進行したりすることもよくあるという。

WHILLは、シニアや歩行に困難を抱える人などを中心に利用されているほか、最近では免許返納後の移動手段として注目されるとともに、施設などでのレンタル運用としての活用機会も増えている。

WHILLでは、車の運転と類似点が多いWHILLを操作した時にも、車の運転時と同様の動きが見られるのではないかと仮定。免許返納後もWHILLに乗り換えることで「認知、判断、操作」を継続し、認知症発生抑止に役立つかを検証すべく、秋田大学で高齢者の健康長寿や住みやすい地域づくりなどについて研究する大田秀隆教授と、高齢者の安全運転に関する各種提言などを行う中村拓司氏の監修の下、調査を実施する。

調査は2021年10月から2022年3月まで、65~75歳で定期的に運転をする男女5名を対象に実施。「教習所内の同じコースを車とWHILLでそれぞれ走行している時」、「自宅周辺の同じコースを徒歩とWHILLでそれぞれ移動している時(10分間)」、「自宅でリラックスしている時(10分間)」、それぞれの操作時における脳の動きを計測・比較し、脳への影響を定量的に分析。今後の調査や取り組みの一助として役立てていく。

《纐纈敏也@DAYS》

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