1950年代の名車、ボルボ PV544 をPHVに換装…SEMA 2021で発表へ

世界で初めて3点式シートベルトを標準装備したボルボPV544

ボルボS60「ポールスター」仕様のPHVパワートレインを移植

女性だけのワンオフモデル製作プロジェクト

ボルボカーズ(Volvo Cars)は、11月に米国で開催されるSEMAショー2021において、ボルボの名車『PV544』に、『S60』 のプラグインハイブリッド車(PHV)のパワートレインを移植したワンオフモデルを初公開する。7月14日、ボルボカーズが発表した。

世界で初めて3点式シートベルトを標準装備したボルボPV544

ボルボPV544は、『PV444』の改良モデルとして、1958年8月に導入された2ドアサルーンだ。世界で初めて、3点式シートベルトを標準装備したことで知られる。ボルボカーズは、誰もがこの技術の恩恵を得られるように、特許を無償公開した。以来、このシートベルトは、100万人を超える人々の命を救ったとされている。

また、PV544では、フロントウインドウに大面積の曲面ガラスを採用し、リアウインドウにも拡大採用することで、視界を向上させた。その変更規模は1944年にPV444が発表されて以来、最大といえるものだった。PV544のインテリアには、上部にクラッシュパッドを貼った新設計のダッシュボードを採用し、キャビン内の安全性を高めた。スピードメーターには赤いラインで速度を表示する温度計を思わせるデザインが取り入れられていた。PV444よりも1人多く座れるように形状が変更されたリアシートは、快適性の面での改良が図られていた。

技術面においても、PV544は近代化が進められた。PV444では北米仕様を除いて1種類しか用意されていなかったエンジンに、もうひとつの選択肢が加えられた。さらにマニュアルトランスミッションも、3速から4速へと進化。PV544は、4速マニュアルトランスミッションを搭載した初のボルボ車となった。ボディパネルの内側は、発表後もアップデートが続けられた。1961年に実施された変更では、「B18型」エンジンを搭載した。同時に電気系統も改良され、12V電流を使用するように改められた。PV544は1958~1965年、24万3990台が生産された。また、PV544は1950年代後半から1960年代前半にかけて、最も成功したラリーカーのひとつとなったという。

ボルボS60「ポールスター」仕様のPHVパワートレインを移植

このPV544に移植されるのが、ボルボS60の高性能モデル、「ポールスター・エンジニアード」のPHVパワートレインだ。ボルボカーズは、主力車種にPHVを展開しており、ポールスターは、これらの電動車両のチューニングを手がけている。

ポールスター・エンジニアードは、現行S60の最上位グレードだ。電動パワートレインの「T8ツインエンジン」を搭載するPHVのみを設定している。PHVのT8ツインエンジンをベースに、ポールスターが高性能化。PHVシステムのスペックは、最大出力が415hp、最大トルクが68.3kgm。標準のT8ツインエンジンの400hp、65.2kgmに対して、15hp、3.1kgmの強化が図られた。

また、専用の軽量ホイールは、ゴールドのブレンボ製ブレーキキャリパーを見せるためのオープンデザインとした。エグゾーストはブラッククローム、シートベルトはゴールドで仕上げられる。ブレーキパッドは耐熱性を向上。マルチリンクの前後サスペンションには、オーリンズ製のダンパーを組み込むなど、足回りを強化している。

女性だけのワンオフモデル製作プロジェクト

11月に米国で開催されるSEMAショー2021では、ボルボPV544に、S60のPHVパワートレインを移植したワンオフモデルが初公開される予定だ。このワンオフモデルは、米国の自動車整備業界に、より多くの女性進出を目指すプロジェクトの一環として製作される。米国労働統計局のデータによると、自動車整備に従事する女性の割合は、全体の9%。他の業界の平均女性比率の46%に比べて、低いという。

ワンオフモデル製作プロジェクトでは、自動車業界で性別の多様性を高めることに取り組んでいる女性ネットワーク、「Girl Gang Garage」の創設者兼代表のボグ・レイティナーさんをリーダーに起用した。リーダーのボグ・レイティナーさん以下、プロとアマチュアのメカニック、塗装工など、すべて女性で構成される。ボルボカーズの整備ネットワークに勤務する女性メカニックも、プロジェクトに参画する。

なお、ワンオフモデルは、「アイアン・メイヴェン」と命名され、11月2日に米国ラスベガスで開幕するSEMAショー2021で初公開される予定。PHVパワートレインだけでなく、ポールスター・エンジニアードによるサスペンション、最新の車両制御システム、インフォテインメントシステム「Sensus」などが組み込まれる予定、としている。

《森脇稔》

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