【VW アルテオン 新型試乗】20インチでも“まろやかさ”増した乗り味に…島崎七生人

VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)
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よく見ると、VWロゴが最新のそれに付け替えられただけでなく、テールゲート上の“ARTEON”のバラ文字もフォントが新しい。これだけでも見た目の印象が随分変わるのだから不思議といえば不思議だ。

「シューティングブレーク」は輸入ワゴンの脅威に?

VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)
フロントのデザインは一見すると従来モデルを踏襲しつつも、特徴的なクロームの横バーの下側3本の太さが太くなり、このクルマの押し出し感とのバランスがとれた気がする。それと光ファイバーケーブルを使い、デイタイムランニングライトが車幅いっぱいに“増設”されたのもポイントだ。見慣れたというほど街で頻繁に見かけるクルマではないけれど、“こなれた”顔つきになった……そんな印象だ。

VW アルテオンシューティングブレークVW アルテオンシューティングブレーク
それとシューティングブレークが新規設定されたのはニュースだ。残念ながら今回は試乗できていないので、別の機会にジックリと試したいと思うが、実物を眺めた限りでは「相当にかっこいい」と思った。ファストバックとは全高(1445mm)と全長(4870mm)は共通ながら低く伸びやかなフォルムは、まさしく一般名称で言う“シューティングブレーク”そのもので、既存の輸入ワゴンにとって、スタイリッシュな手ごわいライバルの出現……ということになるかも知れない。

VW車の中でも最良のシート

VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)
我々の試乗車はファストバックの「TSI 4MOTION Elegance」。運転席に乗り込むと『パサート』同様にインパネ中央にあったアナログ時計がなくなってしまったのが残念だが、センターコンソールや加飾部分に手が入り、無用な折れ線が減り、スッキリとしたデザインになった。

シートは前後席ともに『パサート』由来の従来型のそれを引き継いでいるが、前後席ともにサイズが十分あり、乗車中の姿勢をしっかりと支えてくれるVW車中でも最良のシートだと思う。

VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)
実用面では、ファストバックはサイドウインドゥのグラフィックが後方に向かって下降していくこともあり、後席の乗降時に頭の出し入れに少し気を遣う。けれど乗り込んでしまえば低く座る着座位置に対しルーフの低さは支障がない。足元スペースも十二分だ。

それと何としてもラゲッジスペースの広さは魅力で、床面のサイズは奥行き1180mm、幅1000mm(試乗時の筆者実測値)と広大。

20インチでも“まろやかさ”増した乗り味

VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)
走りはフラッグシップモデルらしい余裕が体感できるもの。搭載エンジンは2リットルのインタークーラー付きターボ(272ps/35.7kgm)で、これに7速DSGの組み合わせ。実は車重は1720kgあるのだが、それをものともせず意のままの走りが実現されており、高速走行時にアクセルを踏み込めば逞しいエンジン音を一段高め、胸のすく加速も味わえる。

車重が利いてか、20インチタイヤ(245/35R20 95Y・ピレリP ZERO)ながら、デビュー当初に較べ、乗り味にもまろやかさが増して感じられた。

VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)VW アルテオン 改良新型(TSI 4MOTION Elegance)

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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