【INDYCAR 第2戦】若手実力派コルトン・ハータ、完璧な内容で今季初優勝…琢磨は決勝上昇で6位フィニッシュ

今季初優勝を飾った#26 ハータ。
  • 今季初優勝を飾った#26 ハータ。
  • 今季初優勝を飾った#26 ハータ。
  • 今季初優勝を飾った#26 ハータ。
  • #26 ハータ(左端先頭)はレースを完全に支配して勝利する。
  • 2位の#1 ニューガーデン(手前)、3位の#22 パジェノー。
  • 左から2位ニューガーデン、優勝ハータ、3位パジェノー。
  • #30 佐藤琢磨は決勝6位に。
  • #30 佐藤琢磨は決勝6位に。

NTTインディカー・シリーズ第2戦「ファイアストンGP・オブ・セント・ピーターズバーグ」の決勝レースが現地25日に実施され、若手実力派、21歳のコルトン・ハータが完璧な内容で今季初勝利を飾った。佐藤琢磨は決勝で上昇して6位。

開幕戦からの連戦日程で実施される第2戦は、米フロリダ州のセント・ピーターズバーグ市街地特設コースが舞台。開幕地としての印象が強いコースながら、昨季はコロナ禍の影響で最終戦となり、今季は当初こそ3月上旬、開幕戦の位置付けにあったが、4月末、第2戦としての開催に変わっている。

決勝前日に行なわれた予選では、コルトン・ハータ(#26 Andretti Autosport/ホンダ)がポールポジションを獲得。佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)は15位ながら、決勝日のプラクティス走行では2番手タイムをマーク、上昇ムードとともに決勝100周レースへと臨む。

ドライの決勝レースは燃費的にギリギリとも見られた2ストップが上位を争う主流のピット戦略となり、そのなかでハータが完全試合に近いような内容のポール・トゥ・ウインを飾った。

ローリング方式のスタートでトップを守って発進し、その座を他者に譲ったのは最初のピットストップ時の3周だけと、ハータは暑いコンディションの100周のうち計97周を首位で周回。2ストップ戦略の最終ピットストップ時期が過ぎたあと、イエローコーション(全域)でリードが帳消しになってリスタートという試練の(はずの)局面もあったが、ハータが首位を奪われることはなかった(その後、近い時期にもう1度あったコーション明けのリスタートも無事に乗り切っている)。

優勝したコルトン・ハータのコメント
「開幕戦では1周目のクラッシュに巻き込まれたために遅れをとったけど(決勝リザルト22位)、今日は素晴らしい勝利を飾ることができた。本当に良かったと思う。これでチャンピオン争いに必要な勢いを手に入れることができたからね。ホンダのパワー、そしてチームの素晴らしい仕事によって勝つことができ、とても嬉しく思うよ」

ハータは今季開幕前の3月30日に21歳になったばかり、2000年生まれという若手だが、昨季までに通算3勝という実績を誇る。今季2戦目にしてシーズン初優勝(通算4勝目)を飾り、インディカー初優勝年(2019年=2勝)から3年連続での年間1勝以上を早くも確定させている。

決勝2位はジョセフ・ニューガーデン(#2 Team Penske/シボレー)、3位にはシモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)が入った。以下、4位にジャック・ハーヴェイ(#60 Meyer Shank Racing/ホンダ)、5位にスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)。

開幕戦でインディカー初優勝を飾ったアレックス・パロウ(#10 Chip Ganassi Racing/ホンダ)は今回17位だったが、決勝レースのファステストラップを刻んだ。ポイントリーダーの座はパロウがキープしており、今回優勝のハータは首位パロウから5点差のランキング4位。

(*ちなみにインディカーでは基本的に出場すれば加点されるポイントシステムなので、パロウは今回17位の順位点13点と、1周でも首位を走行した場合に与えられるボーナス1点で計14点をゲットしている。ファステストラップはボーナス対象ではない)。

琢磨は決勝で好走、予選順位から9つ上の6位という結果を得た。ライバルと並走タッチするハードな接戦シーンも演じたりしつつポジションを上げ、レース後半は3位も遠くない位置関係のなかで6位走行が続いた展開の末に、そのままの順位でフィニッシュを迎えている(最終盤は7位に対しての防戦の方が主に)。

#30 佐藤琢磨のコメント
「今日の6位フィニッシュという結果は素晴らしいものです。チームの採用した作戦が的確で、レース中のタイヤチョイスも正しかったと思います。ブラック(ハード)でスタートし、レッド(ソフト)、ブラックという順番で使いました。このチョイスが自分たちのマシンには一番合っていたんだ、と感じています」

「マシンのハンドリングバランスは文句のないものでした。ただ、接触のためかボディワークが少しグラついており、ダウンフォースが少なくなっていました。ドラッグ(空気抵抗)は増えていたと思います。その状態でディクソン(5位)を追いかけ続けました。彼は本当に速かったですね。ゴールまで思いきりプッシュし続けました(が、およびませんでした)」

「全体的に見ると、予選後にチームが見せた(セットアップ改善等の)仕事ぶりがファンタスティックだった、ということです。(決勝レースでの)クルーたちのピット作業は今回も最高でした。次のテキサスに行くのが今から楽しみです」

今季のインディカー・シリーズ序盤はかなりの過密日程。次のテキサス・モーター・スピードウェイ戦(オーバル)も今回からの連戦日程で、しかも5月1日にシリーズ第3戦決勝が、翌2日に同第4戦決勝が実施されるダブルヘッダーとなっている。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集