プジョーが新電動化戦略…EVやPHVを全ラインナップに設定、2023年までに

車だけでなくスクーターや自転車も電動化

EVモードの航続が最大340kmのe-208

バッテリーの8割を30分で充電できるe-2008

2種類のPHVを設定する3008

高性能PHVの『508プジョースポール・エンジニアード』

プジョーの電動モデルのラインナップ
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ステランティス傘下のプジョー(Peugeot)ブランドは3月11日、新たな電動化戦略の「パワー・オブ・チョイス」を発表した。2023年までに、全ラインナップの電動化を目指す、としている。

車だけでなくスクーターや自転車も電動化

プジョーは、モビリティプロバイダーとして、さまざまな電動車両で、顧客の移動の自由を実現していく。コンパクトカーからSUV、商用車、スクーター、自転車に至るまで、プジョーブランドの全ラインナップが、電動化戦略において重要な役割を果たすという。

パワー・オブ・チョイス戦略は、今後のプジョーの技術面の重要な柱のひとつとなる。新世代の電動車は、デザイン、快適さ、装備、広さ、積載量、運転の楽しさを犠牲にすることなく、顧客にニーズと用途に最適な電動パワートレインを提供していく。

例えば、乗用車では、EVとプラグインハイブリッド車(PHV)として、『208』ベースのEV『e-208』、『2008』ベースのEV『e-2008』、『3008』ベースのPHV『3008ハイブリッド』、『508』ベースのPHV『508ハイブリッド』と『508 SWハイブリッド』を設定している。これらの電動モデルはすべて、それぞれのガソリンおよびディーゼルエンジン搭載車と同じ室内スペースや先進運転支援システム(ADAS)を持つ。

EVモードの航続が最大340kmのe-208

新型208に初設定されたのが、EVのプジョーe-208だ。プジョーe-208は、「e-CMP」と呼ばれる電動モジュラー車台をベースに開発された。EVパワートレインは、モーターが最大出力136hp、最大トルク23.5kgmを発生する。バッテリーは、蓄電容量が50kWhと大容量だ。この効果で、1回の充電で最大340km(WLTPサイクル)の航続を備える。

バッテリーの充電は、家庭用コンセントでおよそ16時間だ。三相コンセントでおよそ5時間15分。出力100kWの急速チャージャーを利用すれば、バッテリーの8割の容量をおよそ30分で充電できる。3種類のドライブモードとして、「エコ」「ノーマル」「スポーツ」を採用した。このうち、スポーツではパフォーマンスが重視され、0~100km/h加速は8.1秒の性能を発揮する。

バッテリーの8割を30分で充電できるe-2008

プジョーe-2008のEVパワートレインは、モーターが最大出力136hp、最大トルク26.5kgmを引き出す。バッテリーは、蓄電容量が50kWhと大容量だ。1回の充電で、最大320km(WLTPサイクル)の航続を可能にしている。

バッテリーの充電は、一般的な出力7.4kWの充電器で8時間だ。出力11kWの充電器を使えば、およそ5時間で完了する。出力100kWの急速チャージャーを利用すれば、バッテリーの80%の容量をおよそ30分で充電できる。

プジョーe-2008は、3種類のドライブモードを持つ。「エコ」、「ノーマル」、「スポーツ」だ。このうち、スポーツではパフォーマンスが重視される。最高速は150km/hだ。e-2008では、通常はセレクターを「D」にして走行する。セレクターを「B」にすると、アクセルを戻した際、より強めの回生ブレーキが作動する。

2種類のPHVを設定する3008

3008のPHVには、標準仕様の2WD(FF)の「3008ハイブリッド225e」と、高性能4WDバージョンに位置付けられる「3008ハイブリッド4 300e」の2グレードを用意した。トランスミッションは、PHV専用の8速AT「e-EAT8」を組み合わせている。

FFの3008ハイブリッド225eでは、直噴1.6リットル直列4気筒ガソリンターボ「ピュアテック」エンジンが、最大出力180hp/5500rpm、最大トルク30.6kgm/3000rpmを発生する。フロントに置かれるモーターは最大出力が110hpで、エンジンとモーターを合わせたシステム全体で、225hpのパワーと36.7kgmのトルクを引き出す。動力性能は0~100km/h加速が8.7秒、最高速が225km/hだ。

二次電池(バッテリー)はリチウムイオンで、蓄電容量は13.2kWh。EVモードは56km(WLTP計測)とした。燃費は76.9km/リットル、CO2排出量は30g/kmと公表されている。

4WDの3008ハイブリッド4 300eでは、直噴1.6リットル直列4気筒ガソリンターボのピュアテックエンジンが、最大出力200hp/6000rpm、最大トルク30.6kgm/3000rpmを発生する。フロントに置かれるモーターは最大出力が110hp、リアに置かれるモーターは最大出力が113hpで、エンジンとモーターを合わせたシステム全体で、300hpのパワーと53kgmのトルクを引き出す。動力性能は0~100km/h加速が5.9秒、最高速が235km/hだ。

バッテリーは、蓄電容量13.2kWh のリチウムイオンだ。EVモードでは、最大59km(WLTP計測)をゼロエミッション走行できる。この効果で、燃費は83.3km/リットル、CO2排出量は29g/km(いずれもWLTP計測)と優れた環境性能を実現している。

走行モードは、エレクトリックモード、スポーツモード、ハイブリッドモードの3種類だ。3008ハイブリッド4 300e には、4WDモードが追加され、4種類から切り替えられる。バッテリーの充電は、標準コンセントでおよそ7時間だ。急速チャージャーも利用でき、充電はおよそ1時間45分で完了する。

高性能PHVの『508プジョースポール・エンジニアード』

高性能なPHVが、『508プジョースポール・エンジニアード』だ。プジョーは、508に電動モデルの『508ハイブリッド』を設定している。508プジョースポール・エンジニアードは、508ハイブリッドをベースに、スタイリングと動力性能を向上させたモデルになる。ボディはセダンの「ファストバック」と、ワゴンの「SW」が用意されている。

PHVパワートレインは、直噴1.6リットル直列4気筒ガソリンターボ「PureTech」エンジンが、最大出力200ps/6000rpm、最大トルク30.6kgm/3000rpmを獲得する。フロントとリアに置かれるモーターは、フロント側が最大出力110ps、リア側が最大出力113psを発生する。エンジンとモーターを合わせたシステム全体のパワーは360ps、トルクは53kgmで、4輪を駆動する。強力なPHVパワートレインの効果で、0~100km/h加速は5.2秒、最高速は250km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。

バッテリー(二次電池)は、蓄電容量11.5kWhのリチウムイオンだ。EVモードでは、最大42km(WLTP計測)をゼロエミッション走行できる。燃費は49.3km/リットル、CO2排出量は46g/kmとした。バッテリーの充電は、標準的な家庭用コンセントで7時間以内、16アンペアの充電器で4時間、32 アンペアのウォールボックスで2時間以内とした。

5種類の走行モードが、センターコンソールのモードセレクターで切り替えられる。「エレクトリックモード」は、100%電気駆動となり、都市部のグリーンゾーンにアクセスでき、最高速140km/hまでゼロエミッション走行が可能だ。

「ハイブリッドモード」は、状況に応じてエンジンと電気モーターの動力源を自動的に選択し、エネルギー消費を最適化する。「コンフォートモード」は、ハイブリッドモードでさらにサスペンションをソフトにし、快適な走りを実現する。

「スポーツモード」は、360psのパワーでドライビングプレジャーを味わえるモードだ。ステアリング、ショックアブソーバー、アクセレーションマッピング、エンジンサウンドを統合制御する。つねに最高のパワーを発揮できるよう、エンジンがバッテリーを確実に充電する。「4WDモード」は、滑りやすい路面状況でも最大限のトラクションを確保する。3モード可変ショックアブソーバーは、コンフォート、ハイブリッド、スポーツの各モードで最適化されている。

《森脇稔》

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