マセラティ『ボーラ』50周年…初のミドシップ・スポーツカー

マセラティ・ボーラ(1972年)
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マセラティ初のミドシップ・スポーツカーである『ボーラ』が発表から50周年を迎えた。ボーラは1971年3月11日、ジュネーブモーターショーでデビューした。マセラティによるとボーラは1978年まで生産され、564台が製造された。車名はイタリア北東部、トリエステ地方に吹く強風「ボーラ」を意味する。

2シータークーペのボーラは、エンジニアリング設計についてはジュリオ・アルフィエーリが、空力とスタイリングについてはジョルジェット・ジウジアーロが担当した。最高速度は280km/hを超えながら、エンジンの俊敏なレスポンスと静かな室内空間により、快適性とパフォーマンスを両立したと評価された。

ミドシップのレイアウトは、当時のF1レーシングカーで成功したトレンドだった。これを受けてマセラティは、ジウジアーロ率いるイタルデザイン社に性能、デザイン、快適性、安全性を高めたミドマウントエンジン後輪駆動スポーツカーの開発を依頼した。

エンジンは、最高出力310ps/6000rpmを発揮する4.7リットルのV8エンジン(2年後には4.9ユニットを追加)で、モノコックに連結されたサブフレームに縦置きというレイアウト。リア・アクスルの突き出たデファレンシャル、マセラティとして初めて採用した四輪独立懸架、4輪ディスクブレーキ、乾式シングル・ディスク・クラッチ、5速ギアボックス、テレスコピック式サスペンション・ダンパーなどが備えられていた。

ミドマウント・エンジンのレイアウトは50年後の今も、『MC20』に継承されている。
マセラティ・ボーラマセラティ・ボーラ

《高木啓》

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