福島ロボットテストフィールド、“空飛ぶクルマ”の実験にも活用…フライングカーテクノロジー展

「フライングカーテクノロジー展」に出展した「福島ロボットテストフィールド」
  • 「フライングカーテクノロジー展」に出展した「福島ロボットテストフィールド」
  • 「福島ロボットテストフィールド」の全体を示した模型が展示された
  • 福島ロボットテストフィールド、“空飛ぶクルマ”の実験にも活用…フライングカーテクノロジー展
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“空飛ぶクルマ”の現状と技術を披露する「フライングカーテクノロジー展」(東京ビックサイト、10月6日まで開催)に、ロボット研究開発拠点として今年3月に開所した「福島ロボットテストフィールド」(福島県南相馬市・浪江町)が出展した。

この施設は新産業創出を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の目玉拠点の一つとして福島県が整備を進めたもの。東京電力福島第1原発事故で被災した福島県沿岸部を復興支援する一環の事業でもある。所有は福島県で、その運営は第三セクターとして設立された福島ロボットテストフィールドが行っている。面積は南相馬市復興工業団地内の東西1000m、南北約500mと広大で、その広さは東京ディズニーランドに匹敵するという。

同施設のパンフレットによれば、この施設は「陸・海・空のフィールドロボットの一大開発実証拠点。インフラや災害現場など実際の使用環境を再現しており、ロボットの性能評価や操縦訓練等ができる世界に類を見ない施設」とある。敷地内には「無人航空機エリア」、「インフラ点検・災害対応エリア」、「水中・水上ロボットエリア」、「開発基盤エリア」を用意し、総施設数は21にも及ぶ。そのほか、浪江町・棚塩産業団地内に長距離飛行試験のための滑走路を整備するなど様々な技術研究に適した環境を提供している。

福島ロボットテストフィールドの事業部事業企画課の石川仁氏は、「開所した当初はコロナ禍で利用者がほとんどいない状態が続いたが、夏頃から徐々に申し込みが増え始め、水没市街地フィールドや大型水槽では警察や消防による水中ドローンを使った救援訓練としても利用されるようになった」と話す。また、“空飛ぶクルマ”の研究のために、SkyDriveやテトラ・アビエーションが研究施設に入居済みで、そういった問い合わせも徐々に増えてきているようだ。

石川氏によれば「利用が多いのが試験用橋梁や試験用トンネルで、ここでは建設業者や道路会社が主な顧客。設備維持のためにひび割れ箇所をロボットによって探し出すための試験や、トンネルでは真っ暗な状態にして点検システムの性能検証にも使われている」という。その他、市街地フィールドでは信号を備えた交差点を作り、ADASで使われる電波試験などにも利用できる。

石川氏は「ドローンや鳥の位置情報などを観測する通信塔を設置しており、今後は幅広いテストフィールドとして活用してもらよう働きかけていく」と、今後の利用拡大を望む考えを示した。

《会田肇》

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