【INDYCAR 第12戦】ニューガーデン今季3勝目、逆転連覇へ望みつなぐ…琢磨は厳しい流れで18位

第12戦の表彰式。優勝は#1 ジョセフ・ニューガーデン(中央)。
  • 第12戦の表彰式。優勝は#1 ジョセフ・ニューガーデン(中央)。
  • 今季3勝目をあげ、王座への望みをつないだ#1 ニューガーデン。
  • 今季3勝目をあげ、王座への望みをつないだ#1 ニューガーデン。
  • 決勝2位の#27 ロッシ。
  • 決勝3位の#21 ビーケイと、4位の#88 ハータ。
  • ポイント首位の#9 ディクソンは今回決勝9位。
  • #30 佐藤琢磨には厳しい一戦となった(決勝18位)。
  • インディ・ロードコースでのダブルヘッダー、レース2(シリーズ第13戦)は現地翌日の開催。

NTTインディカー・シリーズ第12戦の決勝レースが現地2日、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースであり、ジョセフ・ニューガーデンが今季3勝目をあげて、逆転連覇に望みをつないだ。佐藤琢磨は予選から厳しい戦いとなり、決勝18位。

全14戦の予定となっている今季のインディカー、残すは(今回を含め)3レースである。そのうちの2レース、第12戦(このレース)と第13戦はインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(米インディアナ州)のロードコースを舞台とするダブルヘッダーだ。“インディ・ロード”でのレースは今季第2戦以来になる。

今回のダブルヘッダーは予選が各レース個別の実施。レース1(第12戦)の予選は決勝前日の現地1日にあり、ルーキーのリナス・ビーケイ(#21 Ed Carpenter Racing/シボレー)が初のポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)は手痛いコースアウトを喫し、グループ内最下位で予選24位(予選は2グループ分割実施、参加25台)。

寒めのドライコンディションでの決勝レース、序盤はビーケイと前戦優勝者コルトン・ハータ(#88 Andretti Harding Steinbrenner Autosport/ホンダ)による若手同士の激しいトップバトルがあり、そこからまずはビーケイ、やがてはハータが主導権を握る展開に。今回は3ストップの4スティントが基本戦略で、フルコースイエローコーションの発生はなく、プレーンなレースとなってゆく。

そのうちに首位攻防はハータと昨季王者ジョセフ・ニューガーデン(#1 Team Penske/シボレー)のマッチレースとなる。そして第3スティント終盤、ハータがエスケープゾーンへとコースオフしてしまい、ニューガーデンがトップ浮上を果たした(その周の終わりにハータは3度目のルーティンピットへ)。

最終の第4スティントは、後方の激しい戦いをよそにニューガーデンが首位を独走。シーズン3勝目をあげて、スコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)に大きなリードを許していたタイトル争いでも点差を詰めることとなった。

決勝2位は終盤に順位を上げてきたアレクサンダー・ロッシ(#27 Andretti Autosport/ホンダ)。ポール発進のビーケイは3位、連勝を狙ったハータは4位だった。5位はフェリックス・ローゼンクヴィスト(#10 Chip Ganassi Racing/ホンダ)。

ポイント首位のディクソンは今回決勝9位。前戦終了時はランク2位のニューガーデンに対し72点をリードしていたが、このレースで差は40点まで縮まった。まだまだディクソン有利ではあるが、数字上は今回で“終戦”してしまう可能性もあったので、それを思えばずいぶんと差が詰まった印象にもなる。少なくとも、ニューガーデンが2年連続3度目の王座へ向けて望みをつないだ、とはいえるだろう(インディカーは優勝50点が基本で、通常レースではボーナス込みで最大54点獲得可能)。

ニューガーデンは「まだ登るべき山は残っているけれど、今日、それを小さくはできたと思う。とにかく(今回を含む)残り3戦、すべてパーフェクトなレースが必要だと僕は言ってきた。そのひとつが終わり、あとふたつ残っている、そういうことだ」と語り、逆転王座に闘志を燃やしている。

一方、2年ぶり6度目の王座を目指すディクソンは「今日はブラックタイヤ(硬い方のタイヤ、レースでは原則として硬軟両方を使用する義務がある)での走りに苦しんだ。でも、こういう日もあるのがレースの世界。あれだけ良くなかったのは不思議だが、その原因を明日のレース2(第13戦)までに見つける」と語った。こちらは当然、第13戦で決めることを狙ってくるだろう。明日の戦いも楽しみだ。

琢磨は厳しい流れのまま決勝18位。

#30 佐藤琢磨のコメント
「厳しい一戦になりましたね。後方からのスタートだったので、2ストップ作戦でいくことにしました。計算上では燃料が7~8周分足らなかったので、フルコースコーションを利用したいと考えていました。しかしイエローが出ず、レース途中で3ストップ作戦へと切りかえることになったため、その時点までの大幅なタイムロス(ペース抑制)が大きな負担となってしまいました」

「マシンのセッティングもアグレッシブに、ダウンフォースを少なくしたものにしていました。順位を上げていく戦いをするためです。予選(のコースアウト)でレッドタイヤ(軟らかい方のタイヤ)を1セット失っていたことも痛手でしたね」

「全体的にタフなレースになっていましたが、明日の予選と決勝に向けたいいデータを集めることができたことは間違いありません。明日は予選でトップ10に入る必要があります。ただ、今日1レースを戦ったことで、みんながマシンのレベルを上げてきます。今日のデータを活用することでフィールド全体の実力がさらに拮抗するでしょう。でも、そこで今日以上に高い競争力を発揮できると思います」

琢磨のシリーズランキングは前戦終了時と同じで7位。6位とは16点差、5位ともまだ22点差なので、残り2戦、トップ5入りを果たしてほしいところだ(3位、4位になれる可能性も残っている)。

ダブルヘッダー2戦目となるシリーズ第13戦は現地3日に実施される予定。

《遠藤俊幸》

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