【日産 フェアレディZ 次期型】モビルスーツとダンスパートナー…チーフプロダクトスペシャリスト解説

日産フェアレディZ次期型プロトタイプ
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  • チーフプロダクトスペシャリストの田村宏志氏
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日産は次期型『フェアレディZ』プロトタイプを公開した。フェアレディZというと、やはり“走り”も見逃せない。開発において日産自動車チーフプロダクトスペシャリストの田村宏志氏は、「日産では『GT-R』とZの両方を持っているので、それらの立ち位置は明確にした」という。

具体的には、「モビルスーツのように、マシンのパワーを電子制御を使って、つまり人間の叡智をかけ、いかにドライバーとコネクションするかというタイプのGT-R」に対し、「ダンスパートナーのように、踊る相手とシンクロナイズすることがZの大事なところ」と表現。

Zは、「気持ち良さをふんだんに出さなければいけない」と述べ、「ダンスパートナーならレスポンスを大事にしなければいけないので、ノンターボの方が良いだろうと、アクセルに対してのレスポンスを大事にしてきた。しかし、ツインターボも結構いい感じに仕上がってきたので、いっちゃおうかというところもある」と明かす。「しかしゆずれないのはマニュアルシフト」と明言。日産専務執行役員グローバルデザイン担当のアルフォンソ・アルバイザ氏も、「(田村氏が)こだわったところで、人とクルマが人車一体を感じることが出来る」とした。

フロントの四角い大きなグリルの理由についてアルバイザ氏は、「ヘリテージと性能のバランスを取った結果」という。S30の観点からは、リアから来るパーティングラインを素直に落とした位置にグリルがあることと同時に、「60年代後半のスポーツカーを見ると四角いグリルになるので、同じものを採用したいと思った」とのこと。また、「ツインターボで近代のパワーを表現しているので、結果的により表現豊かなものになっている」と説明。

田村氏も同意した上で、「大きな力をどうやって冷やすかという条件を考えると、機能的な形が自ずと生まれた上に、デザインの自然なイメージが重なった結果」と述べる。

そして最後にエグゼクティブデザインダイレクターの田井悟氏は、「今回はかなりシンプルにまとめている」としながらも、「生産車を発表する前にいうのもなんだが」と前置きし、「Zというと個人個人のカスタマイズや、将来出した暁にはパワーアップとかを考えると、大きい口を持っていた方が後々いいのではないかなあ、ということも納得してつけている(笑)」とコメントし、将来のチューニングにも対応出来ることを示唆した。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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