震度6強の地震発生、緊急車両の通行ルートを確保せよ…首都高が防災訓練実施

車両啓開隊前進
  • 車両啓開隊前進
  • 被害状況確認
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  • 段差・目開き解消
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首都高速道路は9月8日、首都直下型地震を想定した、2020年度地震防災訓練(緊急対応訓練)を実施した。

2020年度緊急対応訓練は、首都高速管内で起きた最大震度6強の地震により、橋梁の継ぎ目に路面段差(60cm)および開き(50cm)が発生し、複数の車両が通行できなくなったという被害を想定。段差・道路啓開(切り開くこと)の実動訓練による実効性の検証および課題の抽出を目的として訓練を実施した。

訓練ではまず、ドローンにて現場状況を確認(当日は強風のため中止)し、保全特別パトロール隊が到着し、段差、目開きを確認。続いて道路啓開隊が逆走で到着し、軽量なESP(発泡スチロール)と表面保護材(FRP)を一体化した段差集成材「ESPフラットブロック」および「EPSスロープ」を並べて段差を解消した。さらに軽量土嚢を並べ、その上にFRP製軽量渡し板「F-Deck」を並べることで目開きを解消。ゴムマットを敷いてF-Deck部の小さな段差をなくすことで段差啓開は終了した。

次の車両啓開訓練は、路面段差手前に8台の車両(普通車および大型車、一部乗り捨てられ無人の状態)が滞留し通行できない状態を想定して行われた。

まず、左車線最後尾の無人トラック1台をレッカーで後方に牽引移動。その前にある横向き無人車の移動スペース確保のため、右車線の無人車両2台をトーイングトラクターで後方に牽引した。そして横向きの無人車両をゴージャッキで右車線に移動。左車線の有人車両を交通誘導で前進させ、車両啓開完了となった。

大規模地震対が発生した場合、緊急車両などの通行のため、放置車両の撤去や段差修正で救援ルートを確保することが重要となる。首都高速では、「道路啓開マニュアル」を策定するともに、実践的な訓練を定期的に実施。災害時に向けた万全の対策を整えている。

《纐纈敏也@DAYS》

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