歴代マツダ車、開発主査が選ぶ1台…CX-30担当・佐賀尚人主査、CX-5 CX-8担当・松岡英樹主査

マツダ・サバンナ
  • マツダ・サバンナ
  • マツダ・キャロル(2代目)
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マツダは2020年1月30日に創立100周年を迎えた。現在、同社の100周年スペシャルサイトでは、歴代モデルの人気投票が行われている。4月6日集計時のTOP3は『AZ-1』『ランティス』『マツダ787』。そこで、マツダの開発主査に、「私の選ぶ1台」とTOP3のモデルについて語ってもらった。

CX-30 開発主査・佐賀尚人氏

■私が選ぶ1台

『キャロル』。バブル崩壊後の苦しい時期、私はオートザムへ約2年間の販売出向へ出ました。その中で、お客様に一番お求めいただいたのが、このキャロルです。キャロルは一目でそれと分かる独創的なエクステリアデザインと、明るいタッチの室内で人気を博し、メインターゲットである女性のみならず男性からも支持を得ました。

今と違ってウェブもない時代、ご来店のお客様や、1件1件のご訪問などを通して、数多くのお客様との出会いがありました。中には、夕食のご家族団らんの時間に合わせてご自宅に呼んでいただいた方や、キャロルからキャロルへ乗り継いでいただいたお客様、キャロルご購入を機に所有のクルマを全てマツダ車に変更いただいたお客様など、お一人ずつとの思い出が詰まったクルマです。そして、お客様の数だけキャロルとのストーリーがあり、今でもその当時のお客様方との物語と笑顔を、事あるごとに思い出します。

その経験こそが現在の私のクルマ造りへのモチベーションでもあり、今まで私を支えてくれた力の源です。我々はクルマを造っていますが、人々が笑顔になることを求めているのだと、その時から考えています。
マツダ キャロル(2代目)マツダ・キャロル(2代目)

■TOP3の感想

どれもエポックメイキングなクルマたちで、ファンの皆様が選ばれるのに納得です。AZ-1はミッドシップとガルウィング、ランティスは先鋭的なデザインとクラス初のV6エンジン、787Bはロータリーエンジン最後のルマン挑戦にして優勝を果たしたマツダ開発陣が大切にしている「飽くなき挑戦」の象徴。

どれも捨てがたいですし、私にとってはちょうど入社前後に登場したクルマたちで、どれも思い入れがあります。こういったクルマたちが今でもTOP3で人気があることに、お客様のマツダに対する期待とイメージがあることを再認識させられたと共に、今後もこれらのクルマたちに負けないようなクルマ造りを続けていかなければと、身が引き締まる思いです。

CX-5、CX-8 開発主査・松岡英樹氏

■私が選ぶ1台

『サバンナ』。選んだ理由は、クルマがかっこいいなと感じ始めた初めてのクルマだからです。この車が登場したのは小学5年生の時。当時ミニカーを段ボール一杯に集めていたが、黄や赤のサバンナの印象的な色や顔つきを見て、ときめきを感じていたことが未だに記憶に残っています。

特に、自転車で道路横を走っているときに、すれ違った時の地面をとらえる顔、颯爽と駆け抜けてゆく姿、独特のテールランプが印象的で、あの時の感情から車が好きになっていきました。
マツダ サバンナマツダ・サバンナ

■TOP3の感想

初代『ファミリア』、初代『ロードスター』、『RX-7』が入っていなかったことが意外です。AZ-1はあの小さな車にガルウイングで納得。出たときはびっくりしました。

787Bも日本車初のルマン優勝であり当然の結果。個人的にもそれまでのルマンをテレビに釘付けになりながら見てきて、優勝した時の感動は忘れられません。特にR26B 4ローターエンジンは、787搭載の開発段階に試験場でテストしていた時に、エンジン実研の事務所までその音・振動が伝わってくるほどの迫力で、デスクを離れてテストを見に行っていました。

ランティスは名車としてさすが。あの世界一小さなV6搭載やオーバーハングのないスタイリングにシャープなハンドリング。いかにもマツダファンが選ぶ車だと思います。

《吉田 瑶子》

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