FCAとPSAとの合弁で生産再開、ポルシェも従業員間2mを順守で

生産を再開したFCAとPSAグループの合弁工場、イタリア・セベル工場
  • 生産を再開したFCAとPSAグループの合弁工場、イタリア・セベル工場
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  • ポルシェ・タイカンを生産するドイツ・ツッフェンハウゼン工場
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FCA、PSAグループとの合弁工場で生産再開…社会的距離を保ちながら

FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は4月28日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大の影響で休止していたイタリア工場の生産を再開した、と発表した。

生産を再開したのは、イタリア中部のアブルッツォ州アテッサ市にあるセベル工場だ。同工場は1981年、PSAグループと合弁で設立され、FCAはフィアットブランド、PSAグループはプジョーとシトロエンの両ブランドの商用バンを生産している。

同工場では、6000人以上の従業員の復帰に備えて、さまざまな安全衛生対策を実施してきた。これらの措置には、30万平方mを超えるワークショップフロアの消毒、およそ130の消毒液ディスペンサーの設置、工場の入り口や消毒液のある600か所以上に、12のサーマルカメラ(体温測定カメラシステム)を設置した。

これにより、FCAは生産再開後に、従業員を最大限に保護していく。同時に、セベル工場に部品を供給するために、イタリアのカッシーノ、ポミリアーノ、テルモリ、ミラフィオリの各工場でも、部分的に生産を再開した。

セベル工場の生産エリアとオフィスエリアでは、従業員の健康と安全に配慮して、レイアウトなどを変更した。組立ラインでは、従業員の間の社会的距離(ソーシャルディスタンス)を充分に確保。生産エリアでは、従業員の移動は最小限に抑えられる。工場内の85か所のオフィスに、従業員とワークステーション間の防護壁が設置された。

同工場のすべての従業員には、マスクと手袋などの個人用キットと、フェイスシールドが供給された。工場のすべての入口では、訪問者向けにサーマルカメラや非接触体温計で体温をチェックする体制を導入している。

ポルシェ、5月4日から生産再開へ…従業員は2mの最小距離を順守

ポルシェ(Porsche)は4月29日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大の影響で休止しているドイツ国内工場において、5月4日から生産を再開すると発表した。

ポルシェは3月21日に、ドイツのツッフェンハウゼンとライプツィヒの2つの工場の生産を2週間停止し、継続的に状況を評価してきた。グローバルサプライチェーンの障害によって生産ができなくなり、工場は合計6週間閉鎖された。

生産再開に向けて、従業員の最大限の安全性を保証するために必要なすべての対策が事前に取られ、生産を段階的にフル稼働まで増やす。ツッフェンハウゼンとライプツィヒの両工場で生産が準備され、全従業員が段階を追って作業を再開する。

ツッフェンハウゼンとライプツィヒの両工場のために、包括的な対策概要が決定された。これらの対策は従業員の確実な保護を最重要視しながら、可能な限り迅速に秩序ある効率的な生産を再開することを目的としている。例えば、生産担当の従業員は約2mの最小距離を守りながら、基本的な行動規則に従い、規定された領域内でマスクを着用する必要がある。

ポルシェは生産の一時停止に加えて、その他のより強固な対策の実施も決定した。拠点のインフラの負担を軽減するため、通知するまでこれらは継続して有効になる。テレワークは継続され、会議はビデオや電話で行われる。出張の禁止も引き続き適用される、としている。

《森脇稔》

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