トヨタ、TRI-ADのカフナーCEOを本体取締役に…在籍4年で異例の抜擢

TRI-ADのジェームス・カフナーCEO
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トヨタ自動車は3月25日、自動運転技術のソフトウエア開発会社であるトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD、東京都中央区)のジェームス・カフナーCEOをトヨタの新任取締役に起用する役員人事を内定した。

6月に開く定時株主総会後とその後の取締役会の承認を得て就任する。カフナー氏は同日に執行役員にも就き、「チーフ・デジタル・オフィサー」として先進技術開発カンパニーを担当する。TRI-ADのCEOも引き続き兼務する。

トヨタの取締役は3人の社外取締役を含み9人だが、6月の株主総会ではディディエ・ルロワ取締役が退任予定であり、1人のみの外国出身の社内取締役としては同氏に代わっての就任となる。トヨタは4月1日から副社長ポストを廃止するなど役員の階層を一段とスリム化するとともに「激しく変化する外部環境に対応するため、グローバルトヨタとして最適視点で経営を考える体制」(豊田章男社長)づくりを図っていく。

カフナー氏は2009年から16年まで米国のグーグルに在籍し、自動運転開発チームの創設メンバーやロボティクス部門のトップなどを歴任し、2016年1月にトヨタが米国のシリコンバレーに設立した子会社、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)のCTO(最高技術責任者)に転じた。18年3月にはTRI-ADの発足とともにCEOに就任している。

グループ企業の在籍4年余りでトヨタ本体の取締役という、同社では異例の抜擢となる。豊田社長は24日にNTTとの資本提携を発表した際、「従来はハードであるクルマとソフトウエアを一体で開発してきたが、ソフト開発が先行する時代になっている。トヨタのハードの強みを生かしながら”ソフトファースト”によってトヨタのクルマづくりを次のフェーズにもっていきたい」と、「ソフト先行」の重要性を強調していた。カフナー氏の取締役起用はそうした観点を具現化するものともなる。

《池原照雄》

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