只見線の全線復旧は2021年度に…環境配慮型のキハE120形も運行へ

8両が只見線に運用されることになったキハE120形のエクステリアデザイン。「只見川と残雪、冬の厳しさに負けじと萌える新緑の山々」をコンセプトに、冬の只見線をイメージした白、新緑の森をイメージした緑、只見川をイメージした黄緑の3層のラインを施したものとなる。
  • 8両が只見線に運用されることになったキハE120形のエクステリアデザイン。「只見川と残雪、冬の厳しさに負けじと萌える新緑の山々」をコンセプトに、冬の只見線をイメージした白、新緑の森をイメージした緑、只見川をイメージした黄緑の3層のラインを施したものとなる。
  • 只見線不通区間の概要。
  • 第5只見川橋梁の施工前状況(左)と施工後状況(右)。
  • 第6只見川橋梁の施工前状況(左)と施工後状況(右)。
  • 第7只見川橋梁の施工前状況(左)と施工後状況(右)。

JR東日本仙台支社は11月28日、只見線会津川口~只見間27.6kmの復旧工事を2021年度中に完了する予定になったことを明らかにした。

只見線は、会津若松駅(福島県会津若松市)と小出(こいで)駅(新潟県魚沼市)を結ぶ135.2kmの路線だが、福島県内の会津川口~只見間は2011年7月の水害で橋梁流出などの被害を受け、長期運休を余儀なくされた。

これを受けて、JR東日本は2017年6月に復旧費用を福島県が3分の2負担する基本合意書・覚書を締結。さらに復旧区間では福島県が施設を保有する第三種鉄道事業者、JR東日本が運行を担う第二種鉄道事業者となる上下分離方式へ移行することが取り決められ、「下」部分は福島県へ無償譲渡されることになっている。

復旧工事は2018年6月に開始され、斜面や盛土の復旧、枕木交換などの軌道工事を実施。橋梁関係では、第5・6・7只見川橋梁の橋脚がすでに完成しており、2019年度内には第5只見川橋梁、2020年度からは第6・7只見川橋梁の桁架設に着手するとしている。

また、復旧を見据えて、窒素酸化物(NOx)や黒煙などの粒子状物質(PM)の排出を抑えた、環境配慮型のキハE120形気動車8両が運用されることも決定している。同車は現在、新潟地区で運用されているが、12月以降、順次デザインを変更した上で、2020年春に只見線での営業運行を開始するとしている。

なお、JR東日本では、福島県が策定した「只見線利活用計画」に基づき、2020年2月29日までの土休日に、会津柳津~会津川口間で第1・3只見川橋梁などの絶景ポイントで徐行を行なうなどの協力を行なっており、12月15日にはトロッコ列車「びゅうコースター風っこ」の運行も予定されている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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