プロが明かす『DIATONE SOUND.NAVI』の利点---調整能力が、楽しみ方の幅を広げる

DIATONE SOUND.NAVI
  • DIATONE SOUND.NAVI
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  • クァンタム・土屋代表。
  • クァンタム(茨城県守谷市)。
  • クァンタム(茨城県守谷市)。
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昨今、AV一体型ナビの“エンターテインメント能力”の底上げが顕著だ。ナビは道案内ツールでありながら同時に、オーディオセンターユニットでもある。各社ともその部分の能力をも伸長させることで、より魅力的な製品に仕上げようと努めているというわけなのだ。

その中でも三菱電機の『DIATONE SOUND.NAVI』は、一歩先を行っている。アドバンテージはいくつかあるが、今回はその中でも“サウンドチューニング能力”が高いことについての詳細な分析を試みる。ズバリ、『DIATONE SOUND.NAVI』には、“マルチウェイ・タイムアライメント”という他にはない独自機能が積まれている。これによってもたらされる可能性を、改めて深掘りする。

『DIATONE SOUND.NAVI』なら、ナビを換えただけでガラリと音を変えられる!

さて、『DIATONE SOUND.NAVI』の利点を探るために今回は、とあるカーオーディオ・プロショップを取材した。向かった先は茨城県の守谷市。彼の地に店舗を構える実力店“クァンタム”の土屋代表に、プロ視点による“マルチウェイ・タイムアライメント”の利点と使いこなし術について、じっくりと話を訊いてきた。

まずは土屋さんに、『DIATONE SOUND.NAVI』ならではの魅力を訊いてみた。

「『DIATONE SOUND.NAVI』にはこれならではの特長が様々ありますが、特筆すべきは主に2点に集約できると思います。1つは内蔵パワーアンプの性能が高いこと、そしてもう1つはサウンドチューニング能力が秀でていること、この2点です。

特に、チューニング機能については他にはない特別な能力が備わっています。その機能の名は“マルチウェイ・タイムアライメント”です。これのおかげで『DIATONE SOUND.NAVI』は、手軽に高音質を楽しもうとするときにも十二分に力を発揮します。スピーカーが純正のままでも緻密なサウンド制御が可能になるんです。

というのもこれを活用すると、トゥイーターとミッドウーファーとを個別にコントロールしながらも、それらの信号を同一回路で伝送できてしまうんです。ゆえに、もしもスピーカーが純正のままでも、スピーカー配線を引き直すことなく緻密にコントロールできてしまいます。

つまり、カーオーディオを気軽に始められるんです。他にあれこれやらずとも、これを導入するだけで聴こえ方をガラリと変えられますから」

“仮想3ウェイ”調整を実践することで、“2ウェイ”の弱点を克服可能に!

ところで『DIATONE SOUND.NAVI』では、“仮想3ウェイ”という調整方法が可能となる。これが何なのかを土屋さんに教えてもらった。

「近い方のドアに取り付けられているスピーカーはどうしても、リスナーから見たときの仰角が大きくなります。特に座面の高いミニバン等ではミッドウーファーが低い位置に取り付けられることとなるので、その傾向が強くなります。結果、近い方のスピーカーからは指向性の強い中域の音が聴こえにくくなる一方で遠い方のスピーカーからは中域の音がしっかり耳に伝わってきます。このように、左右で聴こえ方のバランスが変わってしまうんです。

しかし『DIATONE SOUND.NAVI』なら“マルチウェイ・タイムアライメント”を使うことで、これに対処できるんです。ミッドウーファーが再生する音を任意に上下2分割できるので、それぞれのレベル(音量)調整とタイムアライメント調整とが可能になり、聴こえ方のバランスを整えられるんです。

基本的な操作方法は以下のとおりです。近い方のミッドウーファーの低域のボリュームを下げたり遠い方のミッドウーファーの中域のボリュームを下げたりしてみます。さらにはタイムアライメントも調整します。音量が大きいと感じる部分の発音タイミングを遅らせることでも、きつさを緩和させられるんです。

このように、2ウェイスピーカーをあたかも3ウェイスピーカーのように扱うことで、2ウェイの弱点を是正することが可能となるんです」

裸特性がフラットでないスピーカーを、よりフラットな特性に変えられる!

“仮想3ウェイ”ではさらに、以下のような効力も発揮される。

「例えば低域の再生が不得意なスピーカーがあったとします。中域はとても良く鳴るのに200Hz以下はそれほど鳴らない、とか。しかしメインユニットが『DIATONE SOUND.NAVI』なら、“仮想3ウェイ”を駆使することで200Hz以下の音をブーストする、もしくは200Hzより高い音を抑える、このどちらかの操作が可能となります。そうすることでそのスピーカーの裸特性をフラットな状態に近づけられます。

また、取り付け上のコンディションによってもスピーカーの特性は変化します。デモボードでスピーカーと正対して聴いているときには良好でも、ドアに取り付けて仰角がきつくなることで特性がフラットではなくなることも往々にして起こり得ます。

取り付けによって引き起こされる問題は、取り付け方を見直すことで改善させるべきなのですが、それにも限度があるのも事実です。そんなときにも“仮想3ウェイ”調整が力を発揮します。聴こえにくくなった部分を聴こえやすく整えられるんです」

ところで他のAV一体型ナビでは、マルチアンプ接続ができるモデルではそれを活用することで、または“バイアンプ接続”に対応したパッシブクロスオーバーネットワークを使うことで、トゥイーターとミッドウーファーとを個別にコントロールできるようになる。しかしそれらを実行すると、内蔵パワーアンプの4ch分すべてをフロントスピーカーに費やすこととなる。結果、リアスピーカーは鳴らせなくなる。

しかし『DIATONE SOUND.NAVI』なら“マルチウェイ・タイムアライメント”があるので、トゥイーターとミッドウーファーを個別制御しつつもリアスピーカーを生かしておける。このことによってもたらさせる利点についても教えてもらった。

リアスピーカーを生かすことで可能となるチューニング術とは?

「もしもリアスピーカーが生きているのなら、サウンド制御の幅は確実に広がります。

リアスピーカーの活用の仕方は、主には3通り存在しています。1つ目は、“空間表現を広げる”という使い方です。そこはかとなくリアスピーカーも鳴らすことで広がり感を出せるんです。Hi-Fi的なアプローチとは異なるのですが、広がり感があったほうが聴き疲れしにくいと思われる方もいらっしゃいます。そうであるならば、リアスピーカーを軽く鳴らすのはアリです。

また、“フロントスピーカーの情報量不足を補う”という使い方もできます。リアスピーカーもある程度鳴らしその上で、左のリアスピーカーの音は左のフロントスピーカーの音と、右のリアスピーカーの音は右のフロントスピーカーの音とそれぞれ位相を合致させると、リアスピーカーの音もフロントから聴こえてきます。結果、サウンドステージは“前方定位”したままで情報量が上がります。フロントスピーカーがロスした情報量をリアスピーカーで補完できるんです。

ただしこのやり方を実践すると、センターフォーカスがリスナー側に近づきます。ヘッドフォンで音楽を聴いているような状況に近づくわけです。それを潔しとしない場合にはこの方法は不向きですが、それを心地良いと感じる場合にはこのようなやり方も有効です。

さらには、“リアスピーカーをサブウーファー的に鳴らす”というやり方もできます。リアスピーカーを薄く鳴らすことで低音増強を図れます。

このように、リアスピーカーが生きているとサウンドチューニングの選択肢が増えていきます。やりようが増えることはすなわちメリットです。

『DIATONE SOUND.NAVI』では、さまざまな楽しみ方が可能です。ライトなシステムでも緻密なセッティングができ、高度なシステムでも鳴らし方の選択肢が広がります。使い甲斐のある、特別なメインユニットであることは間違いないですね」

“クァンタム”の土屋さんの話を訊いて、『DIATONE SOUND.NAVI』がスペシャルであることを再認識できた。『DIATONE SOUND.NAVI』を使えば、これならではの楽しみ方が可能となる。カーオーディオをより深く楽しみたいと思うなら、これのチョイスは有効だ。ご検討あれ。

《太田祥三》

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