[実録]父に「運転免許返納」を受け入れてもらう…地域包括支援センターに相談

【実録】父に「免許返納」を受け入れてもらうために 筆者が踏んだステップを具体的に紹介
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「お父さん、お願いだからもう運転はやめてほしい」

そうは言っても「わかった」と素直に返納の手続きを始める人は少ないでしょう。

自分の運転に自信を持っている人ほど、運転を手放そうとはしません。


しかし、親の運転で以前より急ブレーキが多くなった、ウィンカーを出すことを忘れていたなど異変を感じるようになったのなら、免許証返納をすすめてもいいのではないでしょうか。

この記事では、運転免許証を返納してほしい家族と、全く聞き入れない父がどのように折り合いをつけていくかという経過をお伝えします。

まだ道半ばですが、ようやく少しずつ進んでいるところです。

免許証返納を受け入れてもらう方法


高齢者の運転で家族が最も心配するのは、加齢により視力や運動能力が衰えてきているのに自覚が乏しく、高齢者の自動車事故をひとごととしてしか捉えようとしないということです。

免許証返納のことを話題にしても「俺は大丈夫」と全く取りあおうとしません。

また、駐車場で車と接触してしまっても本人は「たまたまぶつけただけ」と言い、同乗している家族が急ブレーキが多くなったと指摘するだけで逆上したり威圧的になったりします。

家族としては免許証更新時に実施される運転認知機能検査(75歳以上が対象)まで待っている間に、いつ事故を起こしても不思議ではないとハラハラする毎日を送ることになります。

そうなると、顔を合わせることすら耐え難いストレスにもなり、家族関係がどんどん悪化するのは避けられません。


「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」

≪画像元:警視庁

Step1:地域包括支援センターに相談


親の居住地にある地域包括支援センターに相談することをおすすめします。

免許証返納をすすめても全く聞き入れようとしないというのは、悲しいことですが、初期の認知症のせいかもしれません。

以前より短気になったが家族以外にはきちんと応対しているから認知症なんてありえない、と思ってもまず話してみることをおすすめします。

相談は無料ですし、家に来ていただいて、家族立ち会いのもと本人と面談してもらうこともできます。

そのうえで免許証返納もすすめてもらいましょう。

必要だと判断されれば介護認定審査を受けられます。

Step2:警察署の交通課と面談


この状態を作っておいて、今度は警察署の交通課に連絡を入れてみました。

すると3か月前は

「免許証の更新時期に検査を受けていただければ…」

という返事しかいただけなかったのですが、家族がとても心配していることと、地域包括支援センターにも相談していることを伝える

「それならば時間を作って一度お父さんとお話ししましょう」

と言っていただけて、私が休みのとれる10日後に、2人で交通課に出向くことになりました。

現在の進捗状況


今のところやった順番としては、以下の通りです。

1. 地域包括支援センターに相談(完了)
2. 介護認定審査(予定)
3. 2.と同じ日に警察署・交通課と面談(予定)
4. 買い物支援制度(完了)
5. 免許証返納後の生活を整える(予定)

フルタイムで働く身としてはハードスケジュールですが、半月でここまで進みました

2.の介護認定審査の結果が出るのは1か月ほどかかるそうです。

免許証返納後に活動範囲を狭めない方法


運転ができなくなると、交通網の発達していない地方ではたちまち活動範囲が狭くなり、生活が一変することが予想されます。

そのような心配についても地域包括支援センターの方に具体的なアドバイスをいただくことができました。

1. 出掛ける場所


父の場合は、免許証返納と同時に毎週楽しみに出かけられる場所を提供することを提案していただきました。

右足の痛みがあることも伝えると、リハビリを兼ねて運動できる場所がありますよ、とのことでした。

しかも車で送迎していただけるそうです。

2. 買い物は支援制度を利用


買い物も、近所のスーパーで買い物支援制度があり、


年会費:1,000円
1回の手数料:100円
で注文、配達

をしていただけるそうです。

散歩がてら買い物に行って帰りは手ぶらで帰ることができる、となると今の生活がより健康的になるかもしれません。

免許証返納はまだまだ遠い道のりかもしれませんが、具体的なイメージが湧いてきました。

事故が起こってからでは遅い



事故が起こってからでは遅い

「まだまだ運転できる」という父のプライドを守りつつも、周囲の協力を得られることがこんなにも励みになるとは思いませんでした。

事故が起こってからでは遅いですし、万が一事故が起こったら被害はお金だけで解決するものではありません

危ないものは危ないと根気強く言い続けるしかないと思っています。

とはいえ、実際に免許証返納になると、遠方の外出はがっつりと私にかかってきます。

「週に1回は車での外出を提案してみなくては」と覚悟を決め、健康的な生活を送れるようにできるだけのことをしていこうと思っています。(執筆者:北里 真彩美)

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《北里 真彩美》

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