[ソースユニットのトレンド分析]その他のデジタル機器

センタークラスターパネルにタブレットが装着された車両の例(製作ショップ:アンティフォン)。
  • センタークラスターパネルにタブレットが装着された車両の例(製作ショップ:アンティフォン)。

車内において「音楽は何で聴くか」を考えてきた当短期集中連載。今回はその最終回をお届けする。これまでに取り上げてきたもの以外の“デジタル機器”にスポットを当て、それぞれの利点や楽しみ方のポイント等々を、端的に解説していく。

映像系のソースや“ハイレゾ音源”を大量に持ち込みたい人には、これもお薦め!

まずは、ホームオーディオ用に用意されている“デジタルメディアプレーヤー”を取り上げる。各種デジタル機器やデバイスに収められた映像&音楽データを家庭のテレビ等で再生するための機器があるのだが、それが車内の“ソースユニット”として活用されるケースも度々見られる。さて、ホーム用“デジタルメディアプレーヤー”の、カーオーディオの“ソースユニット”としてのポテンシャルはどうなのだろうか。

利点はいくつかあるが、第一に挙げるべきは「映像系ソースを多彩に楽しめること」だろう。入力端子が豊富に用意されている場合が多く、結果、ハードディスクや、DVDプレーヤー、ブルーレイディスクプレーヤー、デジタルカメラ等々が接続でき、さらにはWi-Fiルーターを経由してネットとの接続が可能になる機種もある。

また、音楽系のソースを楽しむ際には曲目等々をナビ画面に映し出せることもメリットだ。結果、選曲操作がしやすくなる。パネルをタッチしても操作はできないが、DAPやスマホの画面上で操作するのと比べたら、かなり使いやすい。

さらには専用リモコンが使えることもストロングポイントだ。主要なボタンがどれなのかを覚えておけば、以後は手元を見ずして操作ができる。

加えて、外部ストレージを活用すれば大量の音源をキープできるようになることもうれしいポイントだ。データの重い“ハイレゾ音源”も大量に車内に持ち込める。

というわけで“デジタルメディアプレーヤー”は、映像系のソースを楽しみたい人、“ハイレゾ音源”を便利に聴きたい人にとって、かなり有力な選択肢となり得る。覚えておこう。

車内で使用するために開発された“車載用オーディオPC”もある!?

続いては、“パソコン”を車内の“ソースユニット”として使うことについて考えてみたい。つまりこれは、ホームオーディオで言うところの“ネットワークオーディオ”を車内で展開する、というようなケースとなる。

この場合も“デジタルメディアプレーヤー”と同様に、たくさんのコンテンツを車内に持ち込めることがメリットとなる。ただし、振動や熱への耐性が車載スペックではない電子機器を車内で使うことには、それなりの難しさもある。この点においては“デジタルメディアプレーヤー”でも同様だが、“パソコン”はさらにデリケートだ。対策を講じれば可能だが、その意味では導入のハードルは低くはない。

ところで、車載オーディオ機器としての使用が想定された“パソコン”もリリースされている。それならば、振動や熱への対策も万全なので安心感が高くなる。

そしてそれは、エンタメ能力もなかなかに高い。入出力端子が豊富に装備されていて、映像系ソースも含めさまざまなデジタルコンテンツを楽しめる。

また、車内の12V電源で使えることも強みだ。クルマのメインバッテリーから直接電源を引き込みその上でACC電源とリンクさせて、通常のカーオーディオ機器と同じように使用できるのだ。

なお、音に対してもこだわって作られているので、サウンドコンペティターたちからの支持も厚い。“ハイレゾ音源”や映像系ソースに興味がありしかも音質にもこだわりたい向きには、“車載用オーディオPC”という選択肢も浮上する。参考にしていただきたい。

“タブレット”を中心とした“デジタルカーオーディオシステム”の構築も面白い!

最後に、“タブレット”についても考えてみたい。タブレットも、車内の“ソースユニット”としてポテンシャルはなかなかに高い。

ただし問題は、それをどうやってセンタークラスターパネルに固定させるか、だ。タブレットを固定できるホルダーも存在しているが、そもそも本体が大きいのでそこそこ邪魔にもなる。やはり、もしも“タブレット”を車内で使おうとするのなら、それをセンタークラスターパネルにカスタムインストールすることが最善の策となる。

しかし言うまでもなく、取り付けの手間がかかるしそれに呼応してインストール費用もかさんでくる。そこが難点とはなるが、このハードルさえ乗り越えられれば、“ソースユニット”として至って便利に活用できる。

音楽再生アプリを使う時でも画面が大きい分操作がしやすい。ネット動画も大画面で楽しめる。その他のアプリも車内で使いやすくなる。そしてなんといっても、ナビアプリの利便性も向上する。ここも大きな利点と言っていい。

なお、“デジタルメディアプレーヤー”や“パソコン”と連動させても面白い。“タブレット”がそれらのコントローラーとしても機能するケースも多いので、そうであれば車内エンターテインメントの可能性がググッと広がる。先進性も高まるので、使っていても気分が良い。車内エンタメのデジタル化を望むなら、タブレットを中心としたカーオーディオシステムの構築を検討してみてはいかがだろうか。

さて、当特集は以上で終了だ。“ソースユニット”に何を使うかによって、車内エンタメの楽しさや使い勝手は変化する。自身のミュージックライフスタイルと照らし合わせ、自分にとってもっとも便利で、もっとも楽しい“答”を導き出そう♪

《太田祥三》

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