オールマイティに用途をこなす基本モデル、輸入Dセグセダンをスペック比較…Cクラス、ジュリア、XE

メルセデスベンツ Cクラス 新型(C200セダン)
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今どきのムーブメントはSUV。ひと昔前なら考えもしなかったブランドからもSUVが次々と登場、全体として幅広いセグメントをカバーするにいたり、乗用車のメインストリームと化した感がある。そのほかのカテゴリーでは、コンパクトカーやミニバンも、ユーザーの日常的な生活スタイルに欠かせないクルマとしてすっかり定着している。

けれどいかに時代が変わろうとも外せないのが“セダン”だ。タブレット端末全盛の今の時代に「やっぱり6穴バイブルサイズ、リング径23mmのfilofaxにボールポイントペンで手書きだよね」と、それを実践しているのは何を隠そう筆者だが、世の中の大きな流れがある一方で、物事には“基本”がある。セダンは昔から乗用車の基本であり、定番であり、多くのユーザーにとってオールマイティに用途をこなしてくれるクルマという訳だ。

そのセダンの中でも王道を行くのが“Dセグメント”のモデルたちだろう。オーナーカーとして手頃なボディサイズで、実用車中の実用車…そんな位置づけのクルマで、世界の自動車メーカーが力作を投入している。とくに欧州メーカーの“Dセグ”のセダンといえば、メーカーごとのフィロソフィに裏打ちされた個性派が多く揃い、クルマ好きであれば「一度は乗りたい!」と思わせられることだろう。今回は、そんな中でも“キャラの立つ”3台を編集部がチョイス、それぞれのスペック、持ち味を比較しつつ検証することにした。

メルセデスベンツ Cクラス

メルセデスベンツ Cクラス 新型(C200セダン)メルセデスベンツ Cクラス 新型(C200セダン)

日本では“5ナンバーのメルセデスベンツ”として人気を集めた『190シリーズ』(W201型)が源流。Cクラスとして現行型は4世代目にあたり、2018年7月には6500箇所の改良を受け、仕様もアップデートされた。

この時に48Vの電気システムBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)を初採用。「C200アバンギャルド」の1.5リットルターボ(184ps/28.6kgf・m)と組み合わせられ、エンジンのアシストやコースティング、エンジン再始動時や、シフト時の回転合わせにも作動。もともとスムースな同車の走りを一層、洗練されたものにした。また『Sクラス』と同等レベルの安全/運転支援機能も特徴で、巡航中のウインカー操作での車線変更や、渋滞中の自動再発進など、リアルワールドで有効かつ実用的な先進機能をいち早く実現している点はアドバンテージだ。

搭載エンジンは4気筒ターボ2機種のほか、2リットルディーゼルターボ、さらにメルセデスAMGシリーズには、さらに高性能な3リットルのV6ターボや4リットルのV8ターボも設定する。本編のテーマからは逸れるが今回の3車では唯一ステーションワゴンも用意する。言葉で表現すれば“スムースで安心感・安定感ひとしおの走り”といったクルマだ。

アルファロメオ ジュリア

アルファロメオ ジュリア(クワドリフォリオ)アルファロメオ ジュリア(クワドリフォリオ)

アルフィスタ待望のニューモデルとして2017年9月に登場。今年(2019年4月)には、日本仕様のアルファロメオでは初となるディーゼルが追加された。

『ジュリア』の車名は同社の往年の名車の名の復活たが、それ以上に注目だったのはFR(後輪駆動)のアルファロメオのセダンとしては『75』(~1992年)以来のことだった点。また『155』『156』『166』など日本でも支持されたモデルに乗っていたが、『159』は少し残念で乗るクルマがなく暫くアルファロメオのセダンを休んでいた…そんなユーザーのことを待っているかのようなクルマでもある。レポーター自身、『156』『166』に自身で乗っていたのでわかるが、スタイルも走りも五感に訴えてくるところは紛うことなくアルファロメオ、だ。

ラインアップは2機種の2リットルターボ(200ps/33.7kgmと280ps/40.8kgm)があり、後者の「ヴェローチェ」にはAWDモデルの“Q4”も設定。さらに2.9リットルのV6(510ps/61.2kgm)搭載の「クワドリフォリオ」も用意する。“ALFA DNAドライブモードシステム”を切り替えれば、切れ味を増した新時代の走りも、往年のアルファロメオらしいシットリとした走りも楽しめる。車線逸脱警告など運転支援システムなども万全だ。

ジャガー XE

ジャガー XE(2018年)ジャガー XE(2018年)

ジャガーのサルーン系ではもっとも身近な存在なのがこの『XE』だ。上級の『XJ』『XF』と並び、いわば最新のジャガーの様式美で仕立てられたモデルで、Dセグメントに投入されたFR車ということでは、平たく言えばヤル気満々…というべきか、自ら“スポーツ・サルーン”と名乗り、広く若いユーザーへの訴求にも力を入れている。先進的なエンジニアリングで生まれた軽量アルミニウムモノコックボディ、ほぼ50:50の前後重量配分などもアピールポイント。

シンプルなインテリアには、2019年モデルではスマートフォンと連動するコネクティビリティ機能が全グレードに標準装備化され、最大8つのデバイスの接続と4G通信が可能な「Wi-Fiホットスポット」、スマートフォンのアプリをインパネのタッチスクリーンから操作可能な「InControlアプリ」などが利用できる。ラインアップでは、今回の3車では唯一のディーゼル+AWDモデルが選べるほか、2リットル(200ps、250ps、300psの3機種)と3リットルのV6ガソリン(380ps)エンジンを設定。走りはスポーティデ軽快だが、4輪の接地感が伝わる繊細なステアリングフィールとハンドリング、ステアリングを切り込んでいくとスーッとインに向くときの気持ちよさなど、軽快で自然な身のこなしはジャガーならではだ。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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