1970年代に一世を風靡、カワサキマッハの決定版が登場

『カワサキ マッハ』
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『カワサキ マッハ』
技術者が語る―2サイクル3気筒車の開発史
著者:小関和夫
発行:三樹書房
定価:本体価格3500円(消費税除き)
ISBN978-4-89522-703-2

北米をはじめ世界で通用する性能とスタイルで、オートバイファンを熱狂させたマッハシリーズ。そのヒストリーを解説する書籍が刊行された。

“世界最速のオートバイを作る”という目標のもと、、2サイクル3気筒、500ccというスペックで誕生した『マッハIII』。その誕生はアメリカン・カワサキ・モーターサイクルからの強い要望によるものだった。要件は、0から400m加速を13秒以下で最高速200km/h以上。末端価格1000ドル以下。今までの日本車にない斬新なデザインという、3点で、当時からすれば常識外のものだったという。しかし、カワサキはそれに応え0から400m加速12.4秒、最高速200km/hを実現し、“クレイジー・マッハ”と呼ばれるほど、マニアにとってはあこがれの的になった。

本書ではこのマッハIIIが生まれる前夜から、レース活動等の開発に関わったエンジニアやデザイナーなどのコメントとともに、当時の資料、カタログ、データをもとに解説。

また、パーツリストなどをもとに変更点や共通点など事細かに述べられる点は、レストア等を考えている人たちにとっては興味深いことだろう。

巻末には資料としてカワサキ2サイクルの各排気量別でのデータシートがまとめられているので、資料としての価値もある。

なお本書は、カワサキ マッハIII誕生50周年を記念し、1969年に登場した『H1 500-SS』を用いた装丁に一新した、新装版として刊行されたものである。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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