ホンダは12月20日、ビジネスジェット機『ホンダジェット・エリート』の日本における初号機の引き渡し式を東京・羽田空港内で開催した。
ホンダの常務執行役員で航空機事業子会社ホンダエアクラフトカンパニーの社長も務める藤野道格氏は式典で「ホンダエアクラフトカンパニーはホンダジェットの販売を全世界に展開している。とくにアジア地区での販売は将来の重要な戦略のひとつとして位置付けており、今回の日本で納入を開始することはホンダジェットの世界展開において大きなステップ」とあいさつ。
その上で「ホンダジェットを日本の空で飛ばすことは我々の悲願だった。ホンダの航空機事業における大きなマイルストーンを達成でき、本当にうれしく思う」と述べた。
また「今回日本で型式証明を取得したホンダジェット エリートは従来のホンダジェットをさらに進化させた最新型モデルで、このクラスで最も速く、最も高く飛ぶことができ、そして最も長い航続距離を有している。独創的な主翼上面エンジン配置形体、自然層流翼形、複合材製胴体などホンダが独自に開発した数々の先進テクノロジーを採用した世界最先端の小型ビジネスジェット機」と日本での初号機を紹介。
さらに「このホンダジェットで日本のお客様にも今までにない快適な移動手段を提供することができると確信している」と強調した。
日本での初号機は個人投資家の千葉功太郎氏を始め、民間宇宙ロケット開発を手掛ける堀江貴文氏ら数名による共同所有となる。
日本での初号機のオーナーのひとりである千葉氏について藤野社長は「テレビコマーシャルでホンダジェットを買うことを思い立った」と人物と披露し、「欧米を含めてもテレビコマーシャルでビジネスジェットを買うということは今までの常識では考えられないこと。我々はもしかしたら世界で最も進んだことをしていて、これから実現しようとしているのかもしれない」と評した。
その千葉氏は式典で「ホンダジェットといえば美しさ。この美しいプロダクトを手にする歓びは非常にスポーツカーに似たものがあると思う」と語り、さらに「最初は一人で買おうと思った時期もが、それはもったいない。オープンスカイのジェネラル・アビエーションの文化を造るためには仲間が必要、インフルエンサーが必要ということで、共同所有という形をあえてとっている」と共同所有の背景を明かした。
ホンダジェットはすでに日本で10機を超える受注を得ているという。