NEC、コネクテッドカーで活用される新技術を公開…フォーラム&EXPO

カメラのセンシングで余所見(よそ見)検知を行う
  • カメラのセンシングで余所見(よそ見)検知を行う
  • NECはデモ気を遣って開発中のコネクテッド技術を披露
  • 歩行者や動物などをAIがパターン認識して判別
  • 歩行者検知用ECU
  • 外敵の侵入をシャットアウトするためのゲートウェイ
  • ネットワークを動的に制御する新たな概念「SDN」を活用することで、回路をシンプルかすることができ、異常発生時でも車両を止めることなく制御できる
  • AIがドライバーも気付かない普段と違う動きを検知し、いち早く故障発生を予知
  • 危険事例データを学習したAIが周辺の車両の動きを常に監視し、危険リスクをいち早く発見する

日本電気(NEC)は、恒例となったプライベートイベント「C&Cユーザーフォーラム/iEXPO2018」を11月8~9日の2日間にわたり東京国際フォーラム(東京・千代田区)で開催。展示会場では開発中の車載向けコネクテッド技術の進捗状況を披露した。

コネクテッド技術は、「NEC Value Chain Innovation」のエリアに出展。この中で興味深かったのは、AIを活用して走行中の危険を未然に予測できるシステム。この技術では、周囲を走る車両の動きを常に監視しており、たとえば隣の車線を走っているクルマが急速に先行車との車間を詰めた場合、自車の車線に割り込んでくる可能性をAIが予測。ドライバーが気づく前にその危険発生を知らせることで、割り込みによる危険リスクを軽減させることができる。

AIモジュールを活用してよそ見検知や歩行者検知を行えるシステムも紹介された。共にセンシングにはカメラを使用。よそ見検知ではドライバーの表情を常に監視することでAIが危険と判断すると警告を与える。会場では担当者がデモ機に座り、視線をそらすとセンサーがそれを警告する様子が披露された。担当者によれば、運転士が意識を失った時などにも応用は可能で、自動ブレーキなどと連携させることで危険リスクは大幅に低減できるという。

安全で効率的な交通サービスを提供したい通信キャリアや自治体、自動車メーカー向けに開発されたのが、通信のトラフィックを制御する「リアルタイム通信技術」だ。通信は基本的に均一化されて配信されるが、トラフィックが混雑すれば遅延は生じる。NECはこの適応ネットワーク制御技術により、瞬時に緊急性の高い通信端末を特定し、緊急性の低い通信端末との間で利用できるリソースを調整することを可能にした。NECによれば、すでに実証実験も繰り返し行っており、その実用性を確認済みだという。

NECはこれらの技術を自動車メーカーやティアワンへ提供、または共同開発を提案。将来の自動運転での活用を視野にトライアルを繰り返していく考えだ。

《会田肇》

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