レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ、2018年シーズン第6戦の決勝が9月16日、オーストリアの ウィーナー・ノイシュタットで開催され、日本人パイロットの室屋義秀は開幕戦以来となる2位表彰台を獲得した。
ファイナル4は、0.083秒差に3人のパイロットがひしめく激戦となった。ファイナル4へコマを進めたのは、スタート順に室屋義秀、マルティン・ソンカ(チェコ)、ミカ・ブラジョー(フランス)、マット・ホール(オーストラリア)の4名だ。
最初のレースとなるラウンド・ オブ14でシーズンランキング首位のマイケル・グーリアン(アメリカ)が敗退するという波乱でスタート。その状況に奮起したのがシーズンランキング2位と3位のマルティン・ソンカとマット・ホールだ。危なげなく順調にラウンド・オブ8、ファイナル4へと進出を果たした。
一方の室屋。開幕戦アブダビ大会で3位表彰台を獲得して以来、表彰台からは遠ざかっていた。それがウィーナー・ノイシュタットでは一転、好タイムをマーク。予選ではポールポジションを確保し、決勝では久しぶりのファイナル4へとコマを進めた。
ファイナル4で最初に飛んだのは室屋だ。順調にコースを跳び、獲得したタイムは59秒324。この日のベストタイムだ。「もしかしたら優勝?」とまで思わせたが、2番手に飛んだソンカが、2周目のバーティカルターンまでは室屋に遅れていたものの、徐々にスピードを上げ、室屋より0.036秒速い59秒288でゴール、優勝を果たした。
3位に食い込んだのはマット・ホール。中盤でソンカとの差を0.021秒まで詰め、かなりいい線まで追い上げたが、結局ソンカを上回ることはできず、トップから0.083秒遅れの3位でのフィニッシュとなった。これまでのレースで2回目のファイナル4進出を果たしたミカ・ブラジョー(フランス)は、持ち味のクリーンでスムーズなフライトを見せたが、タイムは1分00秒088と伸び悩む。今回も表彰台に上がることは出来なかった。
この結果、ワールドチャンピオンシップの順位はマルティン・ソンカとマット・ホールがグーリアンを上回り、ソンカが64ポイントで単独首位。マット・ホールが58ポイントで2位、グーリアンはソンカに9ポイント差の3位に順位を落とすこととなった。室屋は今回2位となったことでシーズンランキング4位に浮上。しかし、この時点で今シーズン2位以下が決定。優勝の願いは来シーズンへつなぐこととなった。
第6戦が開催されたウィーナー・ノイシュタットは、エアレースが初開催。今シーズンはお隣の国チェコ出身のマルティン・ソンカが第4戦のブダペストでも優勝するなど好調を維持。それだけにウィーナー・ノイシュタットでは約4万人もの観客が声援を送る注目の大会となった。