日立、EVのモーター駆動を50%省エネルギー化するSiCパワー半導体を開発

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日立が高耐久性構造SiCパワー半導体「TED-MOS」を開発
  • 日立が高耐久性構造SiCパワー半導体「TED-MOS」を開発

日立製作所は、電気自動車(EV)の省エネルギー化に貢献する新構造のパワー半導体として次世代材料の炭化ケイ素(SiC)による独自のデバイス「TED-MOS」を開発したと発表した。

今回、電流密度が求められるEV向け1.2kV耐圧のパワー半導体を開発した。電流が集中するデバイス中央部に電圧のかかり方を緩和する「電界緩和層」を新たに設け、電界強度を大幅に低減した。デバイス中央部には低抵抗化する「電流拡散層」を設け、SiCの中でも抵抗の小さい結晶面であるFin状トレンチの側面とつながる電流経路とするデバイス構造とした。

この技術の効果を試作したデバイスで確認したところ、高耐久性構造SiCパワー半導体は、耐久性の指標である電界強度を従来のDMOS-FET比40%低減するとともに、EVモーター駆動に求められる1.2kVの耐圧を確保しながら抵抗を25%低減し、エネルギー損失を50%低減できることを確認した。

同社は今後、EVの心臓部であるモーター駆動用インバーターの省エネルギー化に貢献する技術として実用化を目指す。

《レスポンス編集部》

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