【INDYCAR 第15戦】ウィル・パワー、インディ500以来の今季3勝目…佐藤琢磨は展開向かず9位

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優勝した#12 ウィル・パワー。
  • 優勝した#12 ウィル・パワー。
  • 優勝した#12 ウィル・パワー。
  • 左から2位ロッシ、優勝パワー、3位ディクソン。
  • 決勝2位の#27 ロッシ。
  • 決勝3位の#9 ディクソン。
  • 決勝4位の#22 パジェノー。
  • #30 佐藤琢磨は決勝9位だった。
  • 今季最後のオーバル戦を終え、シリーズはロードコースでの残り2戦に向かう。

インディカー・シリーズ第15戦の決勝レースが現地25日に実施され、米イリノイ州マディソン「ゲートウェイ・モータースポーツパーク」での戦いをウィル・パワーが制した。パワーはインディ500初制覇以来、3カ月ぶりの今季3勝目。佐藤琢磨は9位だった。

今季もこのレースを含めて残り3戦、オーバルコース戦は今回が最後となるが、予選セッションは雨のためにキャンセルとなってしまった。規則によって、決勝ローリングスタートのためのグリッドポジションはエントラントポイント順(概ねドライバーズポイント順と同じ)で決められることに。

ドライバーズポイントリーダーのスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)が先頭スタートで、佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)は13番手発進。なお、前の週末の第14戦で大きなクラッシュに遭遇したロバート・ウィッケンズ(#6 Schmidt Peterson Motorsports/ホンダ)は病院で治療を受け続けており、今回の出走台数は前戦より1台減の21台となっている。

1周目にフルコースイエローとなるアクシデントこそあったものの、ゲートウェイでの248周、500kmのナイトレースは比較的動きの少ない流れとなっていき、実質の先頭は#9 ディクソンがキープし続けた。しかし、これを150周目にコース上でパスしたのが、今年のインディ500覇者ウィル・パワー(#12 Team Penske/シボレー)である。

その後、170周過ぎにフルコースイエローがあり、ここが3回目のピットストップタイミングに。もともと燃費的には4ストップが基本線で、3ストップもギリギリ可能か、という設定でもあったレースはここからの終盤、あと1回給油のためにピットする作戦と、燃費セーブでもうピットには入らない作戦とに判断が分かれていくことになる。上位を争うなかでは、#12 パワーと#9 ディクソンが給油組、3連勝を目指すランク2位のアレクサンダー・ロッシ(#27 Andretti Autosport/ホンダ)は燃費セーブを選択した。

最終的にレースは、燃費セーブで走る#27 ロッシを#12 パワーと#9 ディクソンが挟む格好でフィニッシュを迎える。#12 パワーは5月末のインディ500初制覇以来となる今季3勝目。「予選日の段階ではマシンの状態がもうひとつだったが、エンジニアと話をするなどして、今日はいいセットアップにすることができた」との旨を勝因として語る#12 パワーはこの勝利でシリーズポイントを合計500点とし、ランキング4位から3位に浮上した。

ただ、#12 パワーとランク上位2人との距離はまだ少し遠い。一方そのトップ2の争いは#27 ロッシがここ3戦を優勝~優勝~2位として、今回もポイントリーダーの#9 ディクソン(3位)に先着、その差を26点まで詰めている(568対542)。

今回のレースの4位はシモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)、5位はザック・ヴィーチ(#26 Andretti Autosport/ホンダ)。前年王者ジョセフ・ニューガーデン(#1 Team Penske/シボレー)は今回7位、ポイントランクで4位(490点)に後退した。

#30 琢磨は3ストップ作戦を意識しつつのレース運びで、ピットタイミングではコースに遅くまで残っていたこともありラップリードを記録する場面が2度(計4周)あったが、基本的なポジションは中団を脱することがなかった。170周過ぎのコーションも琢磨のレース展開には味方せず。リセットされた状況下、最後も燃費セーブの方を選択したが、その後も展開の追い風は得られず9位(1周遅れ)でフィニッシュしている。

#30 佐藤琢磨のコメント
「正直言って、フラストレーションの溜まるレースとなってしまいました。昨日の私たちはメカニカルトラブルでプラクティスセッション1回をほぼ無駄にしており、プラクティスは残り1回、追う立場に立たされました。予選は行なわれず、走行データもなかったため、決勝用セッティングは推測で決定しなくてはなりませんでしたね」

「そしてレースでは3ストップ作戦にトライし、順調に周回を重ねていきました。(各スティントで他者より)多くの周回をこなし、常にほぼ最後にピットインする展開が続いていたのですが、最後(170周目過ぎ)のフルコースコーションが痛手となりました。あのコーションによって私たちの(初期の)作戦は吹き飛びました。小さな可能性にかけて戦い、チームは素晴らしい仕事をしてくれたと思います。マシンのスピードは不足していましたが、手堅い戦いの週末でした」

なお、今回のレースでホンダとシボレーが競うマニュファクチャラー部門タイトル(エンジン王座)の行方が決定、ホンダがチャンピオンに輝いている。

ドライバーズチャンピオン争いは、逃げるディクソンと追うロッシが残り2戦でどんなドラマを見せてくれるのか。あるいはそこにパワーかニューガーデンも割り込んでくるか。

今季“ラスト前”となる次戦第16戦は、オレゴン州のロードコース「ポートランド・インターナショナル・レースウェイ」での開催、決勝は現地9月2日に実施される。

《遠藤俊幸》

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