中国ウーリンが新型SUVを発表、100%EVも出展…インドネシアモーターショー2018

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2019年にインドネシアで発売すると発表された『ウーリンSUV』
  • 2019年にインドネシアで発売すると発表された『ウーリンSUV』
  • 『ウーリンSUV』の運転席周り。上級SUVらしい豪華さがウリだ
  • パワーユニットは1.5リッター直4ターボエンジン
  • 『ウーリンSUV』の運転席にはパワーシートが備わっていた
  • 『ウーリンSUV』
  • 参考出品された100%EVの『E100』
  • 『E100』中国仕様車
  • 『E100』中国仕様車

中国の自動車メーカーであるウーリン(上汽通用五菱汽車)は、3回目となるインドネシア国際モーターショー(GIIAS)2018へ出展。“Drive、Grow、Progress”のテーマの下、7人乗り多人数乗用車『ウーリンSUV』と、100%EVの『E100』をインドネシア国内で初公開した。

ウーリンは中国本国で年間80万台も販売しているベストセラーカーメーカーでもある。そのウーリンがインドネシアでのMPV生産を宣言したのは、昨年開催されたGIIAS2017の場でのこと。これは2016年に撤退したGMの後を受けたもので、それ以降7人乗りMPV『コンフェロS』と、その上級モデルの『コルテツ』を生産。3年間10万kmの保証をはじめ、エンジンやトランスミッションについては5年間10万kmを保証、さらに2年半5万kmまでは修理する工賃を無料にするという破格の対応で、拡販を成功させてきた。

その勢いを加速すべく投入されるのがウーリンSUVだ。中国では『バオジュン530』と呼ばれて販売されているのと同一車種で、出展車は中国で販売されている左ハンドル車のまま。おそらく、インドネシアでも人気が高いSUVをいち早く披露することで、ラインナップ拡充を見せつける施策だと思われる。そのため、仕様はあくまで参考出品ということだった。

ただ、出展車の概要は明らかにされていた。それによると、パワーユニットは1.5リットル直4ターボエンジンで、トランスミッションにはヒルコントロール付きCVTを採用。ボディサイズはホンダ『CR-V』よりも少し大きめの全長4655mm×幅1835mm×高さは1760mm。インテリアはかなり豪華で、シートは運転席に電動パワーシートがおごられ、広々とした後席には中央コンソールにエアコンの吹き出し口も装備。フローティング型ディスプレイは8型と十分なサイズで、これに「インフィニティ」ブランドのオーディオシステムが組み合わされる。ただ、乗車定員は5人、インドネシアでは標準的な7人乗りとはなっていない。

一方のE100。こちらは中国において破格の55万円で販売するとして話題を呼んだEVで、中国本国では1~5月に約1万1000台を販売したとされる。外観は全長2488mm×幅1506×高さ1670mmとかなりコンパクトで、どことなくメルセデスベンツのスマート『フォーツー』を彷彿させる。定員は2名で、主としてシティコミューターとしての用途で提供されるクルマだ。そのため、走行可能な距離はフル充電で155kmと控えめの数値。急速充電も組み込まれていない。この辺りが破格の価格を実現できた理由とも言える。

とはいえ、SRSエアバッグや4輪ディスクブレーキ、電動パーキング、 ABS、EBDを標準装備。リアバンパーには距離検出用のソナーまで備わる。ダッシュボード中央には様々な情報やAVソースを映し出す10型ディスプレイを装備していた。最大出力は29kWで、110Nmのトルク、最高速度100km/h、6.5秒で0-50km/hに到達。ドライブモードは、エコ/ノーマル/スポーツから選択でき、コンパクトなボディとも相まって軽快なシティ走行が楽しめそうではある。

いっぽう、インドネシアでは充電スポットなどのインフラはほぼない状態。電力事情も決して安定しているとは言えない中、今すぐに発売しても需要はないだろう。となれば、今回の出展は販売を意識したものではなく、ウーリンの先進性を訴える戦略の一環とみるべき。E100の可愛らしい外観は会場での注目度も高く、展示は成功したのではないだろうか。

《会田肇》

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