ZMPが自走式宅配ロボット「CarriRo Delivery」を発表、国内初の実証実験もスタート

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宅配ロボットの第二世代「CarriRo Delivery」。赤とシルバーのボディ色を持つ2台が実証実験で運用される。
  • 宅配ロボットの第二世代「CarriRo Delivery」。赤とシルバーのボディ色を持つ2台が実証実験で運用される。
  • 本体には上部にLiDARを搭載し、その下にはQRコードを読み取ったり、監視用としても使うカメラがセットされる。さらにその下が走行用に使われるステレオカメラ。
  • 左右には方向指示器としてのウインカーと、監視用のカメラがセットされていた。
  • ロッカーは後部を開いて使うのが標準仕様。
  • 需要に応じたロッカーに換装することも可能。
  • 複数のロッカーを組み込むタイプにも対応できる。
  • 宅配ロボットの初代試作機。第二世代モデルよりも二回りほど大きく、表情を表すディスプレイもない。

自動運転技術の開発で知られるZMPが7月19日、以前より開発を重ねていたラストワンマイルの宅配ロボット第2世代モデル「CarriRo Delivery(キャリロデリバリー)」を発表した。量産前モデルを活用した日本で初めての実証実験も近く開始する予定だ。

今回発表された新モデルは、大きさが幅65cm、長さ95cm、高さ96cmと初代に比べて大幅にコンパクト化し、荷物を収納するロッカーもニーズに合わせて取り替えたり、ボックスの数や大きさを自由に選べるように工夫されている。走行速度は最高6kim/hに抑えられ、これはシニアカーとほぼ同等の扱いとなり、自動車としてのナンバーは不要となる。自動走行するにあたっては、上部に周囲360°をセンシングできるLiDAR(ライダー)を備え、前方を2つのカメラで歩行者や障害物を捕捉。また、荷物の受け渡しを行うためにユーザーが提示するQRコードを読み取るための高解像度カメラも搭載した。

運用にあたっては、ユーザー用と店舗用でそれそれアプリを準備した。ユーザー用アプリでは商品の注文や決済を行い、QRコードをかざすことでロッカーの鍵を解除することが可能。店舗用アプリでは店舗での注文管理や各ロッカーへの商品積込をサポートする機能を盛り込んでいる。さらに、各ロボットの位置・ステータスの管理や、緊急時の遠隔操作が可能な遠隔監視システムも取り入れ、万が一のトラブル発生にも対応できるとする。

デリバリーサービスの実証実験はローソンや慶応義塾大学SFC研究所などの協力を得て実施されるもので、 2019年2月20日まで慶応大学湘南藤沢キャンパス内で実施。ユーザは注文から受取りまでを専用アプリで行い、CarriRo Deliveryが自律走行で届けるという実運用に近いサービス検証となる。この実証実験はすでに経済産業省による「AIシステム共同開発支援事業」に採択されており、DMPでは実運用における課題の洗い出しやユーザニーズの把握を進め、実用化へ向けた開発を加速していく考えだ。

発表会場ではCarriRo Deliveryが走行する様子も披露された。その姿はあまりにも可愛らしく、この様子をも見た子供たちが取り囲んでしまうのではないかと思うほど。その疑問にZMP 技術開発部の鰺坂史門氏は「その時は遠隔操作によって様々な対策を講じることにしている。取り囲まれて動けなくなった時は音声で告知するとか、眼を怖い表情に切り換えてみるとか、いろいろ方法は考えられる。実証実験はそれを検証するためでもある」と話す。

「(表情をより豊かに伝えるために)液晶ディスプレイを大型化することも考えられるが、大型化によって電力の消費が大きくなってしまう。現在は鉛バッテリー2基搭載して7時間前後の稼働を想定しているが、稼働時間が短くなると実用性が低くなってしまうことが懸念される」(鰺坂氏)とした。


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《会田肇》

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