幻のトミカ「プリンスロイヤル」に、台頭する中国勢…ホビーショー注目のクルマたち

モータースポーツ/エンタメ エンタメ・イベント
トミーテックがエブロの協力を得て開発を進めている「プリンスロイヤル」
  • トミーテックがエブロの協力を得て開発を進めている「プリンスロイヤル」
  • トミーテックがエブロの協力を得て開発を進めている「プリンスロイヤル」
  • トミカ日産プリンスロイヤルの木型
  • 第57回 静岡ホビーショー
  • 第57回 静岡ホビーショー
  • 第57回 静岡ホビーショー
  • 第57回 静岡ホビーショー
  • 第57回 静岡ホビーショー

自動車に話を特化して今年の「ホビーショー」注目株を集めてみた。プラモデルは相変わらず、古いクルマを中心に新製品が登場。一方のミニカーは従来のダイキャストモデルに代わり、レジン製ミニカーがそのシェアを伸ばして来ている印象であった。

◆旧車が目白押しのプラモデル

全体を通じて日本のメーカーでプラモデルに力を入れている印象が強いのが、青島文化教材社。簡単に作れるスナップキットや、綺麗にペイントされたプリペイントモデルが注目。スナップキットにはクラシックモデルの代表格、トヨタ2000GTと並んで、トヨタ・ヴェルファイアがラインナップされていたのが目新しい。

また、青島は海外ブランドのプラモデルを積極的に導入している。ベルギーのベルキット、それにマカオのビーマックスで、ベルキットからは往年の名ラリーカー、オペル・マンタ400。そしてビーマックスからはランチア・デルタS4とアウディ・クワトロS1の発売を控えている。いずれもサイズは1/24。特にビーマックス社は、その企画段階からアオシマも加担しているそうで、日本人受けするモデルが企画される可能性が高い。

アメリカレベルの輸入が止まっているハセガワからは、完全新金型で作られる三菱ギャランGTO-MRが注目された。発売時期は2018年7月の予定。また、既に投入されている初代シビックSB-1をベースに、レース仕様化された、チーム・ヤマトのシビックが限定販売される。

◆レジン製ミニカーの潮流、そして中国

一方、ミニカーは大きな潮流として、レジンボディの台頭が挙げられる。これはかつてのようにミニカーが飛ぶように売れる時代ではなくなり、金型を作って生産しても、その金型の償却が難しくなっていることから、それに代わって金型を作る必要がないレジン樹脂を使ったモデルが徐々に主流になりつつあるという点。

スパークモデルはその筆頭だが、多くのダイキャストミニカーを出してきた京商も、サムライシリーズと呼ばれるレジン製ミニカーをラインナップした。

そして台頭著しい中国からは、香港に本拠を置くTSMモデルやその傘下にあるトップスピードなどがレジン製ミニカーを多く投入。レジンミニカーのメーカー、イグニッションモデルのTKカンパニーからも、新興勢力ともいえる中国のケンファイのモデルを出品していた。このケンファイ。レジンとダイキャストの両方を生産している。

◆筆者の注目株は
トミーテックがエブロの協力を得て開発を進めている「プリンスロイヤル」
個人的な最注目株は、トミカで有名なトミーテックがエブロの協力を得て開発を進めている、プリンスロイヤルだ。担当の話によれば日産からの許諾がようやく受けられて、製品化に乗り出したという。実は70年代に木型が製作されたものの、幻に終わった経緯があり、今回はようやくそれが実現するという。

因みに独特の世界観を持つ1/64サイズはトミカから。そしてなんと1/43サイズは開発に協力したエブロから発売されることになっているという。発売時期や価格については未定である。

このプリンスロイヤルに開発協力したエブロからは、1966年の日本グランプリに出場するはずだった、日野のレーシングカー、サムライプロトが登場した。現車は幻のクルマともいえる存在で、デイトナコブラのデザインで知られるピート・ブロックのデザインでたった1台だけ作られたモデルだ。既にエブロからは1/43サイズが発売されていたが、今回は1/18。価格も3万円とかなりリーズナブルな印象を受ける。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集