マツダ CX-3 改良新型、4度目で初のデザイン変更「気品ある美しさと、先鋭を極める」

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マツダ CX-3 改良新型
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マツダは5月17日、『CX-3』の大幅商品改良モデルを発表した。4度目の改良となる今回は、初めてデザインにも手が入れられた。そのコンセプトは“Exquisite & Edgy(エクスクイジット&エッジー)気品ある美しさと、先鋭を極める”だという。

◆テーマを壊さずクオリティを高める

CX-3は2016年のワールドカーオブザイヤーのデザイン部門で、マツダ『ロードスター』、ジャガー『XE』についで受賞。「コンパクトクロスオーバーという比較的デザイン的には不利なカテゴリーにも関わらず、快挙を成し遂げた。つまり世界が認めたクルマだ」とは、マツダデザイン本部チーフデザイナーの柳澤亮氏の弁。そして「コンパクトSUVとしてはまれに見るスリムで美しいプロポーションを持つ、都会派のクロスオーバーであるといえるだろう」と評価する。

そこで今回の商品改良でも「いたずらにテーマを壊すことはせず、変化のための変化はしないという考え方で、独自の美しさに磨きをかけてクラスを超える領域までクオリティを高めていった」と語る。

これを踏まえ、デザインのコンセプトは“Exquisite & Edgy(エクスクイジット&エッジー)気品ある美しさと、先鋭を極める”とされた。

エクステリアでは、ラジエーターグリル、18インチのアルミホイール、クロームのサイドガーニッシュ、リアランプが形状変更。そして、フロントバンパー左右のフォグランプベゼル、A、B、Cピラーガーニッシュの色や素材が変更された。

◆気品ある美しさと、先鋭を極める

フロントエンドは、「“顔”全体の主従関係を整理し、よりメッセージ性の強い顔立ちにした」。

現行のラジエーターグリルは横バーが貫通したタイプのデザインであったのに対し、新型は横バーをぐるりとループ状に囲うことによって、「シグネチャーウイングの輪郭線をしっかりと際立たせた」と柳澤氏。これによって、「我々の大事にしているシグネチャーウイングをグリルの輪郭によってより強化。それぞれひとつひとつのループは、奥行き感のある立体的なデザインに進化させた」という。フォグランプベゼルはシルバーからグロスブラックに変更し「より要素を整理して引き締めた」。

次にリアエンドでは、リアランプを変更。現行は、「勢いのあるグラフィックのデザインだったが、新型は精緻でメカニカルな円筒形状を採用。さらにグリルと共通するようなループ状のバーを使うことによって新しいデザインに進化させた」と説明する。

また、18インチのアルミホイールも新デザインに変更された。現行はダークグレーを基調として、「鮮鋭感に注力したデザイン」だが、新型は外周まで切削面積を拡大することで、「とにかくホイールが大きく見えることを重視した」と述べる。また外周にアクセント形状を採用することで、「より伸びやかで力強いデザインになった」と話す。

それら以外にドア下にシルバー塗装のサイドガーニッシュが取り付けられていたが、新型では塗装からクロームに変更することで、質感を大幅に向上。また形状もウェッジ基調から水平基調に変更することで、安定感を演出している。さらにフロントバンパーにもその延長部分を追加し、これによって「前進感、安定感を表現している」という。

またA、B、Cピラーガーニッシュを現行のつや消しのものからグロスブラックに変更し、「より上のクラスのクルマと同様に引き締まった表情、艶やかな質感を与えている」と変更点を説明した。

◆エレクトリックブレーキ採用でフロアコンソールを大幅変更

インテリアの変更は、フロアコンソール、インパネのパッド、リアシートアームレスト&カップホルダーが形状変更で、シートやドアトリムインサート、エアコンルーバーリングの色や素材が変更された。

柳澤氏は「エクステリアと一貫して気品に満ちた美しさ、先鋭感を進化させたデザインになっている。非常に上質な雰囲気だ」とコメントし、「素材使いから細部の作り込みに至るまで、仕上げの良さ、仕立ての良さとにこだわったデザインにした」と述べる。

そのハイライトがコンソールの全面変更だ。「デザインだけではなく機能性が劇的に進化している」という。

新型では現行のハンドブレーキタイプからエレクトリックパーキングへ変更された。この結果、コマンダースイッチが幅の狭いものではなく幅広のものを使うことが出来、全長が短くなった。その結果カップホルダーを大きく前進させたので、その後ろに今までなかったアームレストを設定した。

さらにアームレスト下にはコンソールマルチボックスを装備するなど、「機能性を大幅に進化させた。これらは我々が大事にしている人間中心の思想を元に人間工学的にベストな配置を追求した結果だ」と語る。このアームレストのはユーザーから多くの要望があったもので、「操作系機器の最適配置によって快適性の向上と疲労軽減を実現した」という。

これらは、「デザイン的にも大きな進化につながった。幅が広くて高い位置に鎮座している大型のコンソールによって視覚的にもCX-3がひとクラス上の存在へと進化した」と柳澤氏。

また膝を支えるにニーレストも、ソフトエリアを後ろまで拡大することによって、快適性と上質さを進化させた。

インパネ正面のパッドは、現行の細いスリットタイプのものから上面まで面で覆ったタイプに変更。「これによって包まれ感や豊かさを表現し、パッセンジャーに安心感を与えるデザインに変更した」と述べる。

後席も人間中心の思想からセンターアームレストを今回採用。快適性とホールド性を向上させた。またこのクラスには珍しい開閉式のカップホルダーを採用し、使い勝手と上質さを与えている。

CX-3の4度目の“深化”は、走りだけでなく「1クラス上」をめざすマツダデザインの挑戦が生み出したひとつの答えといえるかもしれない。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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