BASFジャパン石田社長「国内生産の拡充や日本発の技術革新に注力」

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BASFジャパン 石田博基 社長
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BASFジャパンの石田博基社長は4月17日、都内にある本社で就任後初の会見に臨み、今後の成長に向けた施策として国内生産の拡充や日本発の技術革新を加速させることなどに取り組む考えを示した。

石田社長は初の生え抜きの日本人社長として2月1日に就任した。BASFジャパンには1994年に技術職で入社し、ドイツ本社の中央研究所へ出向経験がある一方で、BASF のASEAN地域営業責任者や東アジア地域統括本部でディスパージョン&顔料部門のバイスプレジデントなどを歴任、2012年からはBASFジャパンの副社長を務めていた。

石田社長は「BASFの良いところ、悪いところもわかっている」とした上で、「BASFジャパンとしては日本流、そしてBASF流の両方を兼ね備えて、多様化するマーケットニーズに応えていくことが、次の成長につながっていくと考えている」と述べた。

というのも「グローバル企業としての強みを生かしてモノを大量に造って、それを世界展開して、我々はここまでの成長を勝ち獲ったが、グローバル展開の標準化アプローチだけでは、今後でてくる多様化に対応することは極めて厳しくなっていく」という危機感があるからだ。

なかでも「日本は非常にニッチな、スペシャルティという方向に産業界が向かっている」ことから、「そこに対応し、他社に勝つためには、やはりもう少し日本に寄り添った日本流の仕事というものをグループの中で展開していく必要がある」と指摘。

こうした現状認識を踏まえ石田社長は「我々が非常に強みを持っている製品を、いかに日本流にしていくことが成長のカギと考えている。そういう意味では日本に24か所ある工場をさらに拡大、もしくは25、26か所目を造ることによって、日本のお客様の近くでニーズを理解した上でモノ造りをしていくことをひとつの目標に掲げている」と語った。

さらに「私どもは尼崎に研究開発センターを、そして各地に工場や技術センターを持っている。そこから世界を代表する新しいイノベーションを造っていくことを、我々がやっていく必要がある。BASFジャパン発信のイノベーションをさらに加速させる」とも話した。

石田社長は生産の拡充や日本発の技術革新に取り組む分野として「自動車、化粧品、食品分野がキーになっていく」とし、このうち自動車に関しては「バッテリーはこれからもスピードアップしていく領域。そこに特化した展開は今後も引き続きやっていきたい」との見通しを示した。

《小松哲也》

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