「ハスクバーナ」といえば、古くからあるスウェーデンのモーターサイクルメーカー。最初にバイクをつくったのは1903年で、115年もの伝統がある。
黄金期は1960年代から70年代にかけてで、モトクロスやエンデューロの世界選手権で圧倒的な強さを誇った。モーターサイクル部門は1987年にカジバ、2007年にBMWによって買収されたが、13年にKTM傘下となって現在に至る。
モトクロスでは「名門復活」と言わんばかりの強さをトップカテゴリーで見せており、昨年はAMAモトクロスやスーパークロスなどでタイトルを奪還。オフロードバイクファンらの間でも、新生ハスクバーナのポテンシャルの高さは広く知れ渡っている。
◆では、ストリートバイクとしてはどうなのか……!?
30年代にはマン島TTなどロードレースで活躍したし、1955年に発売された『シルバーピレン』はストリートで若者たちに人気があった。スウェーデン語で“銀の矢”を意味し、車体重量はわずか75kg。テレスコピック式フォークや油圧式ダンパー、そしてフレームマウントのエンジンは当時としては革命的とも言える装備だ。
それから60年以上が経った今、ハスクバーナはストリートへの回帰を果たす。東京モーターサイクルショーのブースでも主役となっていたのは、ロードモデル『ヴィットピレン』や『スヴァルトピレン』であった。“北欧デザイン”というのだろうか、そのシンプルでスリムなスタイルがまず斬新すぎる。
ハスクバーナ・モーターサイクルズ・ジャパンの西 光寿さんにお話を伺った。
「クロームモリブデン鋼トレリスフレームに排気量375ccのシングルエンジンを搭載するのが『ヴィットピレン401』と『スヴァルトピレン401』です。かつての『シルバーピレン』をオマージュし、ネーミングはヴィットピレンが白い矢、スヴァルトピレンは黒い矢を意味します」(西さん)
「ヴィットピレンは“カフェレーサー”、スヴァルトピレンは“スクランブラー”という、いま人気のスタイルを採り入れつつ、ライトウェイトなストリートバイクになりました」(西さん)
「そして大型2輪免許所有者向けには、より本格的なモデルとして排気量693ccの『ヴィットピレン701』がラインナップされます。シンプルさを突き詰めたライトウェイトスポーツで、よりハードなライディングが楽しめます」(西さん)
3機種とも極端なほどにスリムで、テールエンドを大胆に短くカットするなど、とにもかくにもスタイリッシュ。オフロード競技で輝かしい実績を持ち、近年再び表彰台に返り咲いたハスクバーナだが、今度はストリートでその名をもういちど知らしめようとしているのだ。
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