ヤマト運輸+日本郵便、路線バスの貨客混載で初の共同輸送 宮崎県

自動車 ビジネス 企業動向
宮崎交通の路線バスの貨客混載で、ヤマト運輸と日本郵便が初の共同輸送
  • 宮崎交通の路線バスの貨客混載で、ヤマト運輸と日本郵便が初の共同輸送
  • 宮崎交通の路線バスの貨客混載で、ヤマト運輸と日本郵便が初の共同輸送。宮崎運輸・宇都宮博文支局長、ヤマト運輸・小菅泰治常務執行役員、宮崎交通・菊池克瀬社長、日本郵便・福田聖輝副社長、西米良村・黒木義光副村長(左から)

路線バスを使った貨客混載で、ヤマト運輸と日本郵便は20日、全国初の共同輸送を宮崎県でスタートさせた。

宮崎交通の定期バス路線を使い、児湯郡西米良村(こゆぐんにしめらそん)で集荷した荷物を西都(さいと)市内に運ぶ。宮崎交通とヤマト運輸は2015年に貨客混載を実現、ここに日本郵便が“乗合”する形だ。

宮崎交通は使っていた路線バスの座席の一部を取り払い、縦197cm×横80cm×高さ70cmの荷台スペースを設けた混載バスを採用。ここに両者の荷物ボックスを置く。児湯郡西米良村のバス停「村所」~西都市小野崎の「西都バスセンター」(西都市)では、この混載バスを1日4便2往復する。

先行するヤマト運輸は、西都市の宅急便センターからドライバーが出発して、西米良村などで午前中に集荷した荷物を「村所」12時55分発17時00分発の2便で西都市内に送り込み、村内から地域に向けた同日発送を実現した。

また、新たに参加した日本郵便は、17時発の1便のみを利用。村所郵便局員が村内などで集荷した郵便物を、西都市で西都郵便局員が受け取る。混載バスを使うことで輸送にかかる往復3時間の輸送を省力化し、それぞれの地域での集配業務に注力することができる。

また、ヤマト運輸は、西都宅急便センターから朝一番にドライバーが持ち出した荷物のほかに、昼間にセンターに届く村内向け荷物を「西都バスセンター」12時40分発、15時30分発の混載バスを利用して村内に送り、同日夕方に配達するなど配達時間の短縮化も図っている。

20日午前中の出発式には、西米良村長、九州運輸局宮崎運輸支局長、ヤマト運輸、日本郵便の役員らが出席。挨拶に立った宮崎交通の菊池克瀬社長は「競争から共創への第一歩を踏み出すきっかけを作ることができた」と述べた。

宮崎交通は西米良村~西都市のほか、高千穂町~延岡市約50km、諸塚村~日向市約50kmでも混載バスを運行。ヤマト運輸が利用する。いずれも過疎化や高齢化が進む中山間地域。貨物を運ぶことでバス路線の収支を下支えし、同時に物流効率化を図る手段となる。

※頼=旧字

《中島みなみ》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集