自動車メーターの新たなUIを提案…三菱電機

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カメラ映像をリアルタイムに解析し接近車両を検知するAI。軽量なAIのため実装が容易であることが特徴。
  • カメラ映像をリアルタイムに解析し接近車両を検知するAI。軽量なAIのため実装が容易であることが特徴。
  • 質感をモニタ上で表現するため、顔の動きをセンシングして、その視線に応じて光の反射角度を変えるというしくみ。
  • 自動車メーターのAI参考展示

三菱電機は2月14日、研究開発成果披露会を開催した。三菱電機が取り組む幅広い事業領域において、新たな研究開発成果を定期的に発表する場だが、ここでは自動車産業に関連する取り組みについて取り上げる。

電子ミラー向け物体認識技術

自動車の保安基準が改定され、ルームミラーやサイドミラーを、カメラ+モニターに置き換える”ミラーレス化”という流れがある。三菱電機が提案するのは、カメラ映像をモニタに映し出すだけではなく、カメラ映像を解析し、後方から接近する車両を検知する技術だ。担当者は、アルゴリズムを最適化することによって、瞬時に後方の車両を検出できるようになったと説明する。

「100メートルも後方となると、対象物はかなり小さくなるが、人間の脳の動きを参考にして、映像中の目立つ領域に注目することによって検出が可能になった。とにかく軽量で素早く動作することが特徴。実際に自動車に組み込むことを考えたときに、軽量なソフトウェアという特徴が必ず活きる」とアピールする。

物体の質感をリアルに表現する技術

自動車のコックピットの全面液晶化が進むなかで、今回の三菱電機の提案は、物体のリアルな質感を平面な液晶のうえにリアルに表現する技術だ。顔の動きを認識することで、物体に光が反射する角度を、顔の動きに応じて変化させるというもので、特に金属表面のように光がよく反射する素材の表現は非常にリアルに感じられる。

担当者は、「試作品展示では、自動車のメーターを金属質感で表現したが、高品位なデジタルサイネージなどにも応用できる」と活用例を紹介した。

このほか会場では、先週発表されたばかりの2つの技術(関連記事を参照)についても展示され、同社のコンパクトなAI技術をアピールしていた。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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