ミャンマー国鉄が日本製ディーゼルカーを導入へ…新潟トランシスが製造

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契約締結の調印式。
  • 契約締結の調印式。
  • ミャンマー国鉄ヤンゴン~マンダレー間幹線鉄道の路線図。赤い部分が「ヤンゴン・マンダレー鉄道整備事業フェーズI」の事業区間。

丸紅とIHI傘下の新潟トランシス(NTS)は2月9日、ミャンマー国鉄より電気式気動車24両を受注したことを明らかにした。

電気式気動車は、ディーゼルエンジンで発電した電力によりモーターを回し駆動力を得る。最近の気動車のトレンドとして、国内ではJR北海道、JR東日本、JR九州が導入を進めている。

今回、ミャンマーから受注した車両は、日本政府の円借款450億円の供与により、ミャンマー国鉄ヤンゴン~マンダレー間幹線鉄道の老朽化した設備を改修・近代化する事業「ヤンゴン・マンダレー鉄道整備事業フェーズI」におけるパッケージのひとつで、1942年以来、ミャンマーにおけるインフラ事業を手がけてきた丸紅が仲介。受注金額は日本円にしておよそ70億円で、同事業では日本製品初の輸出案件となる。

鉄道の近代化が遅れているミャンマーでは、列車の速度が60km/h程度しか出せない状況が続いており、現在、ミャンマー最大の商業都市であるヤンゴンから、第2の商業都市マンダレーへ向かう中間地点である、タングーまでの幹線鉄道267kmは7時間程度を要しているが、電気式気動車の投入により3時間20分程度にまで短縮できるという。

丸紅とNTSでは、電気式気動車の投入を契機に「ミャンマーの人々の移動に掛かる負担を軽減することで、交通問題の緩和や社会経済の発展に貢献します」としており、丸紅は商務全般を、NTSは、設計・製造・試験・教育訓練を担当する。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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