N700系の台車枠に亀裂…12月11日に発生した「のぞみ34号」の運行トラブル

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N700系の台車で問題となっている箇所。主電動機(モーター)と歯車装置の間を結んでいるのが「WN継手」と呼ばれるもので、この変色が異臭の原因とされている。台車枠の亀裂は東京方の片側に入っていた。「側バリ」とは台車の車軸を左右両側で支える部分で、車軸を収める「軸箱」というものが付いている。亀裂はこの軸箱に近い部分で発生しているようだ。JR西日本では「ほかの車両については当該台車と同条件の台車について、車両所にて異常の無いことを確認して、営業に使用しています」としている。
  • N700系の台車で問題となっている箇所。主電動機(モーター)と歯車装置の間を結んでいるのが「WN継手」と呼ばれるもので、この変色が異臭の原因とされている。台車枠の亀裂は東京方の片側に入っていた。「側バリ」とは台車の車軸を左右両側で支える部分で、車軸を収める「軸箱」というものが付いている。亀裂はこの軸箱に近い部分で発生しているようだ。JR西日本では「ほかの車両については当該台車と同条件の台車について、車両所にて異常の無いことを確認して、営業に使用しています」としている。

JR西日本は12月12日、博多13時33分発東京行き『のぞみ34号』(N700系16両編成)で12月11日に発生した運行トラブルについての概要を明らかにした。

発表によると、『のぞみ34号』が小倉駅を発車した際、パーサーや客室乗務員から7・8号車付近で「焦げたような臭いがする」という申告があり、車掌が車内点検を実施。さらに岡山駅から確認のため乗り込んだ車両保守担当社員が、13・14号車間で「うなり音」を確認したという。

この時点で、走行には支障がないと判断され運行が継続されたが、京都駅を過ぎたところで車掌が異臭を認めたため、名古屋駅でJR東海名古屋車両所の社員が床下の点検を行なったところ、歯車装置の箱部分に油漏れを認め、名古屋駅から先の運行が打ち切られる事態となった。

調査によると、13号車床下の「台車」と呼ばれる部分において、主電動機(モーター)と歯車装置との間の「継手(つぎて)」の変色や歯車箱への油付着、台車枠の亀裂が確認されたという。

台車は車体を支えているものだが、走行や乗り心地を安定させる役割も果たしており、「主電動機」と呼ばれるモーターをはじめとして、継手、歯車、車軸、軸箱、空気バネといったパーツが複雑に組み込まれている。

N700系の場合、モーターの回転力を、「WN継手」と呼ばれる継手(ユニバーサルジョイントの一種)を通して歯車装置に伝達、歯車の動きにより車軸を回して推進力を得る仕組みになっており、これが高速走行時の要となっている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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