放水と負傷者の探索を行う無人消防車部隊が、いよいよ実用段階へ…三菱重工【2017国際ロボット展】

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三菱重工の放水砲ロボットの試作車。7.2km/hで走行する電動の4WDだ。4000リットル/分の放水能力をもつ。
  • 三菱重工の放水砲ロボットの試作車。7.2km/hで走行する電動の4WDだ。4000リットル/分の放水能力をもつ。
  • 放水砲ロボットとホースでつながっているホース延長ロボットを展示。
  • ホース延長ロボットも7.2km/h、2m/sで放水砲ロボットに追従する。
  • 放水砲ロボットの頂部にはカメラとLiDAR、無線の送受信システムにGPS 、スプリンクラーを備える。
  • 放水砲ロボット(向かって左)+ホース延長ロボット
  • 偵察・監視ロボット。自律走行機能を備え、放水砲ロボットの走行経路を先に偵察、放水中も的確な放水ができているか監視する。
  • がれきなど悪路の走破性を高められるようキャタピラモードにも変化する。
  • 小型の遠隔捜索装置。現場に取り残された負傷者などがいないか探索する。

三菱重工のブースには、大きな車体の自走型ロボット2台が連結されていた。石油コンビナートなど消防隊員が近付けない大規模火災現場で初期消火活動を行うための消防ロボットシステムの試作車だ。

これは放水砲ロボットとホース延長ロボットの2基が一緒に働くことで機能するもので、まず放水する場所まで放水砲ロボットに続いてホース延長ロボットが追従していき、そこからポンプ車のいるところまでホース延長ロボットがホースを伸ばしながら戻ってくる。

実験映像を見ると放水砲ロボットの性能はなかなかのもので、かなりの高度、距離まで放水を行うことができそうだ。試作車は全体を消防士が着る防火服と同じ素材で覆われており、頂部には無線操縦用のアンテナとカメラ、それにGPSとLiDAR、自らを火災の熱から守るスプリンクラーなどが装備されている。

来年には量産モデル1号機が完成し納入されるというが、全国の消防隊に実戦配備されるかは、その後の評価次第といったところだそうだ。

消防ロボットは、この放水砲ロボットとホース延長ロボットだけでなく、偵察・監視ロボットと小型の遠隔捜索装置という3種類の役割をもつロボット群が組み合わされて1つのチームになる。

放水が的確に行えているか監視するロボットと、現場に取り残された負傷者などがいないか探索するロボット。これらも消防隊員の代わりとなって働くことで、リスクを下げつつ災害救助活動を確実なものとしていくために役立ってくれることを期待しよう。

《高根英幸》

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