【新聞ウォッチ】三菱マテリアル子会社でも品質不正、 改ざん報告まで半年以上も

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年11月24日付

●国際経済、脱ガソリン車、規制で推進、中国「EV強国」の野望(読売・7面)

●国交省出先機関、セクハラで懲戒相次ぐ、今年すでに6人、盗撮行為も(読売・29面)

●破綻20年、山一の教訓(朝日・4面)

●三菱マテ系データ改ざん子会社2社、200社超に出荷、ゴム、銅製品(毎日・1面)

●トヨタ、東京五輪目指し水素の聖火開発へ(産経・10面)

●ウーバー、個人情報5700万人分流出、口封じハッカーに金銭(産経・10面)

●杉並で自動運転の公道実験、来年1月未来の車づくりへデータ収集(産経・23面)

●世界の自動車産業のいま、クルマ産業はこう変わる、コネクテッド・モビリティ(日経・21面)

●中国人専用、白タク横行、摘発には高いハードル(日経・35面)

ひとくちコメント

「またですか……」という以外に、呆れや驚きのあまり他の言葉が見つからないほどである。非鉄金属大手の三菱マテリアルでも、子会社で品質を巡る一部製品の検査データを改ざんする不正があったという。

企業の品質管理については、すでに神戸製鋼所が長期にわたってデータ改ざんなどを重ねたことが発覚しており、同じような不正行為が他社にも拡大したことが改めて明らかになった。

きょうの毎日、東京が「三菱マテ系品質偽装」などと、1面トップで掲載。各紙も大きく報じているが、子会社の三菱電線で基準を満たしていなかったのは主にゴム素材でつくられ、水漏れなどを防ぐシール材。出荷した可能性がある顧客は229社に上ったという。

また、三菱伸銅は自動車に使われる銅製品などで29社。これまでに安全性に関わる問題は報告されていないという。

さらに、もう1社は三菱アルミニウムで「不適合品を出荷したが、全ての顧客との間で安全性の確認は終了している」としており、詳細は明らかにしていないそうだ。

各紙とも公表の遅れを重視。朝日によると子会社での問題の把握から親会社への報告まで「半年上を費やした」と伝えている。「日本の大企業で相次ぐ安全軽視の姿勢に、国際社会の視線は厳しさを増しそうだ」と指摘する。

三菱マテリアルでは、きょう11月24日に記者会見を開いて事実関係を説明する予定だが、公表遅れの批判が出ることは避けられないだろう。それにしても、すでに出荷した不適合品については安全性の確認が終了している製品も多いとされており、それでは何のための品質検査なのか、顧客が求める品質基準の設定そのものも問われそうだ。

三菱マテリアルといえば、1990年に三菱鉱業セメントと三菱金属が合併して誕生したが、財界団体の経団連と統合する前の日経連会長を大槻文平氏、永野健氏がつとめるなど三菱グループ「金曜会」の名門企業でもある。

《福田俊之》

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