路面電車が「オリエント急行」に…阪堺電軌がラッピング電車

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阪堺電軌の「オリエント急行」ラッピング電車。モ161形の166号を装飾した。
  • 阪堺電軌の「オリエント急行」ラッピング電車。モ161形の166号を装飾した。
  • 車体は紺色。窓には映画の出演者が描かれた。
  • ラッピング電車は2018年1月末まで運行される予定。
  • 映画「オリエント急行」は12月8日公開される。

阪堺電気軌道の路面電車が「オリエント急行」に。映画「オリエント急行殺人事件」(20世紀フォックス映画)が12月8日に公開されるのを記念し、モ161形電車1両(166号)が同映画のラッピング電車になった。

車体は「オリエント急行」で使われていた車両と同じ紺色に塗られ、ジョニー・デップなど映画に出演している俳優の姿が窓に描かれた。11月9日から2018年1月末まで、阪堺電軌の全線で運行される。

「オリエント急行」は1883年に運行を開始した欧州の国際列車。主な運行区間はフランスの首都パリから欧州・アジアの境界点に位置するトルコのイスタンブールまでで、国際寝台車会社(ワゴン・リ社)が製造した最新型の寝台車や食堂車を連結。内装やサービスも豪華で、世界的にも有名になった。

第二次世界大戦後は自動車や航空交通の発達で利用者が減少。豪華さも失われて一般的な長距離列車になった。後に運行区間が縮小され、定期列車としては2009年に廃止されている。一方、昔の客車を使って戦前の「オリエント急行」を再現した観光列車が1970年代から運行されるようになり、今も欧州各地で運行されている。1988年にはテレビ局の企画で「オリエント急行」の車両が日本に持ち込まれ、全国各地を走り回った。

「オリエント急行」を舞台にした作品も数多く発表されており、推理作家のアガサ・クリスティーが発表した「オリエント急行の殺人」(1934年)が有名。同作品を映画化した「オリエント急行殺人事件」が1974年に公開されている。今年12月に公開される「オリエント急行殺人事件」も「オリエント急行の殺人」が原作。監督のケネス・ブラナーが主役の「エルキュール・ポワロ」も演じる。

ラッピング電車の166号は1928年に製造され、まもなく「90歳」を迎える。阪堺電軌常務取締役の上田典生氏は「(映画の原作と166号は)同じ時期に生まれた。そういったところから、お互いの世界観はよく似ているのではないか」「映画を観た後、また観る前でも実際にこの特別車両にご乗車いただきまして、映画『オリエント急行殺人事件』の世界を感じていただければと思います」などとコメントしている。

《草町義和》

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