いすゞ、2018年3月期業績予想を上方修正…初の売上高2兆円台乗せ見込む

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いすゞ自動車が11月6日に発表した2018年3月期第2四半期累計(4~9月期)決算は、当初減益を見込んでいた営業利益がタイなど海外での販売が伸びたことや原価低減の効果も加わり、前年同期比8.4%の増益となった。これを受けて通期の見通しを上方修正した。

いすゞでは当初、第2四半期累計の営業利益を前年同期比10.8%減の610億円を見込んでいたが、結果は741億円と一転して増益となった。また売上高は9846億円と同四半期累計として過去最高を更新した。

いすゞの片山正則社長は同日、都内にある本社で開いた決算説明会で「中近東、アフリカに関しても予想通りかなり厳しい結果だったが、その他の地域で少しずつ台数を積み上げることができた。この売上増加に加えて、原価低減活動がかなり順調に推移した。とくに近年、グループの設備関係、かなり近代化していて、これらが確実に合理化原資に変わってきている。中国を中心とした産業用エンジンも期初の計画よりも上振れたことで、増収増益という形で終わることができた」と述べた。

第2四半期累計決算を受けて通期の業績予想を上方修正した。売上高は1兆9900億円から2兆600億円に、営業利益は1520億円から1640億円にそれぞれ引き上げた。片山社長は「売上高はいすゞ始まって以来、初めての2兆円越えを目指す」と表明した。

また下期の見通しに関しては「当初、中近東は後半期に回復してくるという計画をたてていたが、もう少し時間がかかる。むしろネガティブな状況」としながらも、「ただそれ以外の市場で前半の勢いをそのまま維持できるだろうということで今回、売上高、各利益項目を上方修正した」と述べた。

いすゞは売上高で初の2兆円台乗せを見込むが、2018年3月期を最終年度とする中期経営計画で掲げた売上高目標である2兆2000~2兆3000億円に対しては未達となる。また中計3か年平均9%としていた営業利益率目標にも届かない見通しだ。

片山社長は「新興国を中心とした成長を取り込むことにしていたのが現在の中計だが、中計を造った当初に比べて新興国の勢いがないことで残念ながら最終年度は終わる形になる」と分析。その一方で「来期には今回の中計で届かなかった部分に対して再チャレンジする」と意欲を示した。

《小松哲也》

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