【新聞ウォッチ】日産、10月の新車販売半減---危機管理意識の欠如も影響か

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日産リーフ発表会(9月)
  • 日産リーフ発表会(9月)
  • 東京モーターショー、スバルのお詫び
  • ヤマダ電機が出資するFOMM(オートモーティブワールド2017)

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年11月1日付

●国交省、日産きょう立ち入り、無資格検査、国内6工場に順次、新車販売台数半減へ、10月(読売・8面)

●南武線90年記念催し、4日稲城長沼駅くらす広場、模型展示やペイント体験(読売・26面)

●あおり運転重罪適用,地検、危険運転致死罪で起訴(朝日・3面)

●燃料電池車、雌伏の詩「究極のエコカー」復権のカギは価格(朝日・9面)

●4次内閣きょう発足、安倍首相全閣僚再任へ(毎日・1面)

●EVにヤマダ電機参入、「21世紀の家電」と位置づけ(毎日・7面)

●EV時代の足音、ホンダの突貫工事(日経・2面)

●「架空の町」で自動運転、米グーグル、試験場公開(日経・15面)

●トヨタに「車の頭脳」自動運転用、ルネサス、半導体供給(日経・15面)

●トヨタ、EV事業企画室、11月から移管(日経・15面)

●トヨタ系6社が相次ぎ上方修正(日経・18面)

ひとくちコメント

「このたびは、ご心配とご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした」。10月31日、開催中の東京モーターショー会場内で開かれた「オートカラーアウォード」の20周年特別企画のシンポジウムでも、日産自動車とスバルのデザイン担当の責任者がプレゼンテーションの前に、深々と頭を下げていた。

この日、日産自動車は、10月の国内新車販売台数(軽自動車を除く登録車)が前年同月比ほぼ5割に減少したことを明らかにした。無資格検査問題を受けて、国内6カ所の全完成車工場が国内向け出荷を停止している影響だが、10月は、約7年ぶりにフルモデルチェンジした新型『リーフ』を発売したものの、“自業自得”とはいえ、出鼻をへし折られた格好だ。

きょうの各紙も「日産、新車販売が半減、10月前年比、無資格検査で打撃」などの見出しで「ブランドイメージ悪化が客離れにつながっている可能性もある」(毎日)。「企業イメージの向上を背負う車が出鼻をくじかれ、ブランドの立て直しは容易ではない」(朝日)などと、総合面や経済面のトップ記事として大きく報じている。

無資格検査問題はその後明らかになったスバルにも影響を与える可能性もあるが、10月27日の記者会見では、吉永泰之社長が出席し、2時間以上にわたって丁寧に経過説明を行い、深々と陳謝したことや、モーターショー会場のスバルブースの受付にも吉永社長名で「今回の不適切事案に関するお詫び」を掲示している。

無資格検査が発覚した最初の謝罪会見を部長クラスに任せたり、その後の西川広人社長の会見では、言い訳のような高慢な態度が目立った日産に比べると、スバルの謙虚な対応ぶりに、ライバルメーカーからも「そこまで徹底しないでも」と、むしろ同情する声もある。同じ“ルール違反”でも経営トップの危機管理意識の受け止め方による企業体質の違いが改めて浮き彫りなったようだ。

《福田俊之》

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