【ホンダ ステップワゴン 改良新型】ハイブリッドがスパーダだけの理由とは

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ホンダ・ステップワゴン改良新型
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  • 本田技術研究所 齋藤葉治 主任研究員
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ホンダは『ステップワゴン』の一部改良を機に初のハイブリッド車を追加し、9月29日から販売を開始する。ただハイブリッド車はエアロパーツなどを装備したスポーティモデルであるスパーダのみの設定。その理由とは…。

ステップワゴンの一部改良モデルの開発責任者を務める本田技術研究所の齋藤葉治主任研究員は「我々のハイブリッドが持っている性能を一番わかりやすく表現するために、スポーティモデルのスパーダに限定して入れた」と解説する。

では何故ノーマルモデルに入れなかったのかと突っ込んで聞いてみたところ「決して造れないわけではないが、ノーマルモデルは価格を重視したお客様が非常に多く、5ナンバーサイズも意識した」との答えが返ってきた。

ちなみにステップワゴンのノーマルモデルとスパーダハイブリッドそれぞれの最廉価グレードであるBタイプの価格差は約84万円だ。装備内容や仕様が異なるため単純比較はできないものの、両者の開きはかなり大きいといえる。

一方のサイズに関していえば、もともとスパーダは一部改良前でも全長が4735mmと5ナンバー枠を超えていたが、今回ハイブリッドシステムを納めるために4760mmとさらに25mm拡大された。

齋藤氏は「25mmというのは相当頑張った」と振り返る。というのも「当初のレイアウトでは100mm伸ばすというものだったが、前後に並んでいた構造体を少しずつ後ろに移動するとともに、エンジンフードも25mm高い位置にすることで全長25mmの拡大でシステムを納めた」からだ。

それでもノーマルモデルにもハイブリッドシステムを入れようとすると、現状の全長4690mmに対し少なくとも25mm拡大する必要があり、5ナンバー枠の全長4700mmを超えてしまい、「価格やサイズを意識した」ノーマルモデルのお客様の要求に応えられなくなるというわけだ。

今回の一部改良でスパーダはハイブリッドの設定だけでなく、フロントマスクを中心に外観デザインも大きく変更された。齋藤氏は「ノーマルの優しさにスパーダが近いのではないかという評価があった。ノーマルはやわらかなイメージが評価されて、我々が計画していた量は販売できた。だがスパーダを指名買いして頂けるユーザーにとってノーマルに近いイメージというのは気に入らなかったのではないかと分析している」と背景を語る。

そこで「もう少しスパルタンなイメージが独自価値として必要と考え、ノーマルからもう少しポジションを離す。そこにもっていった」とし、具体的には「フルLEDのヘッドライトを使ってシャープさや独自性を、さらにスパーダらしさを厚みのあるワイドなグリルを用いてそれぞれ表現した。大きな塊でスポーティさを表現した」と齋藤氏は解説する。

またハイブリッドシステム搭載で前後、上下方向それぞれ25mm拡大したフロントの処理に関して齋藤氏は「単純に処理してしまうと非常に大きくてやり過ぎ、ドヤ顔といった感じが際立ってしまうので、細部の造形やあしらいを何度も調整し造り込み、ホンダらしい10年所有しても古さを感じないデザインが出来上がったと考えている」と述べていた。

《小松哲也》

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